Only you . (ページ22)

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ドアを開けると、ベッドの上で頭まで毛布を被って横たわる彼の姿。

そこに腰掛けてその身体をぽんぽんと叩いてみても、返事をする事はなくて。

「……ユーキ…、」

名前を呼ぶとその身体が小さく動く。少しだけ顔が毛布から出てくると、その大きな目が私を捕らえる。その目にはまだ涙が浮かんでて、なんだか泣いている子供みたいと思ってしまった。

「………大きい声出して……ごめんなさい…」

「……ううん。ああいう風に言ってくれて嬉しかった」

ぐす、と鼻を啜ったユーキはゆっくり起き上がって、私と向き合う。くしゃくしゃになった髪の毛を撫でてあげたけど、その手を掴んで引き寄せられぎゅっと抱き締められる。

「……僕はね、Aが幸せならそれでいいって、ずっと思ってたの」

「………」

「何があっても、絶対にAは幸せになれるはずって。だって、こんなに素敵な女の子なんだよ」

少し掠れた声で、ゆっくりそう話す。

「………Aが泣いて帰って来たあの日にね、思ったんだ。僕なら絶対傷付けないし、一生側から離れないのにって。Aが大好きだから……」

「……っ、」

「………ずっと、ずっと思ってた。僕が人間だったらって。僕が人間なら……Aの事、絶対幸せにするのに…」

ユーキの肩は震えていて、そんな彼の肩を濡らしていて自分も泣いている事に気付く。

そっと体を離して、額をくっつける。一度唇が触れると、彼は私に何度もキスをした。噛み付くようなキスも、触れるだけのような優しいキスも。そのままベッドに沈まったら、彼は私の頬の涙をペロリと舐めた。あの日と、同じように。

「………泣き虫」

そんなの、あなただって。

ユーキの目から涙が落ちて、私の頬を伝っていった。

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