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「……これは俺とAの問題だから黙っててくれない?」


「…………無理だよ」








その背中を見てたら、少し安心できて。


…ユーキって、こんなに頼りになる人だったっけ……。









「Aは浮気なんてしてない」








ハッキリと言い放ったその言葉が、再び涙腺を刺激した。嘘も汚れもない彼がそう言った事が嬉しかったのか、守ってもらえて良かったという気持ちなのか。









「っ、………お前と付き合ってる間、ずっと…………ずっとお前の事しか見てなかったのに…」





「………なんで……なんでAを泣かせるような事したんだよ!!」







ふわふわしていて可愛らしい、という言葉がよく似合うユーキが、こんな声を荒げるとは思わなくて。



彼の顔を見ると、静かに涙を流していた。









「…………ゆう、き……」









どうして、彼が泣くのか。




彼は袖で涙を雑に拭うと、家の方へと走り去ってしまった。






残された私と海は、少しの間無言でその場に立ち竦んだままで。二人の間に流れる空気は淀んでいる。









「………ごめん、今日はもうこれ以上は無理」







そう言うと、海は溜息を吐いてくるりと背中を向けた。その背中にもう一つ、声をかける。








「海、」

「………」

「……多分私、海とはやり直せない」

「………あいつがいるから?」








そうだよ、と言い切ることはなぜか出来なかった。



私の中で、海よりもユーキの存在の方が大きくなっているのは確実なのに。








「………そ、わかった」








そう言った海は私に腕時計を差し出した。



……あの時、取りに行くはずだった腕時計。この時計を忘れてなかったら、今頃。なんて考えてももう遅い。








ぎゅっと握り締めて、遠くなっていく海の背中を見つめる。……きっともう、本当におしまい。







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エリンギプール(プロフ) - 続きが気になります! 大変だとは思いますが、更新待ってます! 頑張ってください (2018年12月15日 23時) (レス) id: b1e7a3c80b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:な な . | 作成日時:2018年10月10日 23時

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