【ky】第一印象は恋でした。 (ページ9)

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好きだからこそページ9

キヨサイド

キ｢…最悪だ。どうしろっていうんだよ、｣

フ｢んーまぁもう過ぎたことは仕方ないでしょ｣

フジはまるで他人事かのように牛丼を頬張っている。
俺の量と比べたら全然少ないけどな。

キ｢周りからの視線が痛かった…｣

フ｢そりゃああんなに大声で叫んでたし？｣

思わず叫んでしまっただけで、悪意があったわけでは
ない。テンションがバカにみたいに上がっただけ。

フ｢でもしゃるとちゃん首傾げてたよね｣

キ｢あれね、しゃるとちゃんの照れ隠しの癖。｣

しゃるとちゃんガチ恋勢なめんな。動画を見ていれば
分かる。しゃるとちゃんは照れた時に首をこてんと
傾げる癖がある。それがとてつもなく可愛い。

フ｢…そこまで把握してるの怖いわ笑｣

キ｢…好きだから仕方ないだろ。｣

彼女を好きになってもう何年だろう。何年を数えるか
すら、面倒になるくらい想いを寄せている。

フ｢でもさ、相手の顔は分からないじゃん…？｣

キ｢お前が言うなよw｣

確かに、と呟いて牛丼を口に運んだフジ。でもフジの
言うことも分からなくもない。しゃるとちゃんは、
仮面で顔の全体を隠している。いわゆるフジ状態。

フ｢こんなこと言いたくないけど、性格とか悪くてさ
顔もキヨの期待を裏切ったらさ…どうするの、｣

キ｢…その時はその時だな。｣

俺は確かに彼女の可愛さが好き。でも好きなところは
それだけじゃない。彼女の繊細な所だったり、ファン
に対しての丁寧な態度。そんな所も好きなんだ。

キ｢逆にさ、性格悪いとか想像できねぇしw｣

フ｢それも、そうだね。｣

フジも納得したみたいだ。フジも長いこと、彼女を
応援している。最初はただつけ俺が付き合わせてる
みたいなところはあったけどね？

キ｢…俺は片思い止まりかもね。｣

フ｢…キヨ…｣

キ｢手止まってんぞ？負けた方が奢りな、｣

フ｢いや理不尽！？笑｣

分かってる。フジが俺の事を思ってくれているのも。
けど俺はここまできたら諦めたくないんだ。

フ｢…応援してるよ、キヨ。｣

キ｢…あったり前田のクラッカーよ！w｣

結局理不尽な対決で俺が勝った。けどさすがにまた
奢ってもらうのは申し訳ない気がしてちゃんと自分で
払った。それが当たり前なんだけど。

このあと、家に帰ってとんでもない事が起きるなんて
この時はまだ考えてもいなかった。