推しと共に生きていく。 ページ44
君との出会いは、たまたま再生した動画だった。
当時の君は高校生だったっけ。
今でも君の笑顔は当時から変わることがない。
君のライブで最前が当たった時は大喜びしたっけ。
そこで俺は得意とする大声で合いの手を入れて、
まさかの形で本人認知されてしまった。
あまりにも大きすぎた合いの手をDMで謝った。
その日が、君がフォロー返ししてくれた記念日。
意外にも話が盛り上がって会うことになって、
初めて仮面の下を見た時にはあまりの美少女で
すっごい緊張したのを覚えている。
君にDV彼氏がいたと知った時、なんとも言えない
感情に包まれたんだ。助けたいと強く思った。
事情を全て知った時、君は泣きじゃくっていたね。
1人で何もかも頑張ってきてたんだから。
終電逃しちゃって君が泊まっていくってなった時、
本当はめちゃくちゃ嬉しかった。
本気にはしてくれないのかと問われた時、
心臓が飛び出すかと思った。
結ばれたあとに、俺の髪の毛を乾かす君は
どこか楽しそうで、その表情も好きだった。
次の日の起床時、すごく幸せだったのを覚えてる。
君の笑顔を壊したDV彼氏と会社の上司。
そいつらを俺は許すことは一生ないけど。
全てが解決された時、君は幸せをありがとう。と
涙を零しながらも笑顔でそう言った。
幸せになる覚悟を決めた俺らはしっかりと世間に
公表した。賛否両論だったけど、意外にも
応援してくれる声が多くて嬉しかった。
こうやって、まるで昨日のことかのように
君との出会いから今までを鮮明に思い出せるんだ。
キ｢何度も言うけどさ、すごく綺麗だよ｣
｢キヨくんこそ、すごくカッコイイ。｣
柔らかく微笑む君を見て心が温かくなる。
もう泣きそうだ。まだ何も始まってないのに。
｢なんで泣きそうになってるの？笑｣
キ｢いや、Aの笑顔見たら幸せでさ…｣
｢本当に泣かないでね！？幸せなのは私も同じだけどせっかくのセット台無しだよ？笑｣
昔の俺は、こんな未来を想像出来たのだろうか。
言えば、推しと一緒に人生を歩み始めるんだぜ？
｢キヨくんには沢山守ってもらってるからなぁ…｣
キ｢俺、ちゃんとAのこと守れてるかな…？｣
｢うん。キヨくんは私にとってのヒーローだよ。｣
白いドレスを身にまとった君は微笑む。
あぁ、君のこの笑顔が大好きだ。
白いタキシードを身にまとった俺は
君と一緒にこれからを歩んでいく。
END.
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作者名：まい | 作成日時：2020年12月12日 19時
