122:インベーダー☆ ページ29
【Snail's House】
「ふんふ〜ん♪」
「(背後に何か変な…気配を感じる)」
昼過ぎに校内を歩いていると、上機嫌な五条さんが私の前を横切って行く。
触らぬ神に祟りなし。
こういう時のあの人に対する私の対応です。
正確には今朝から変な予感はしていました。
そのまま任務へ行き、終わって高専へ。
後は報告書を出してずっと待機していただけですが。
いま私の目の前に居るのは上機嫌な五条さんと、もう1人。
見た目に変化が無くて分かりやすい。
「……七ちゃ、ん?」
「そうですが、何か。Aさん」
私が大人しく腕を広げて立って居れば、貴方は笑い声を上げながら胸に飛び込んできた。
これは貴方に対する、ある種の回避と言いますか。捕獲手段。
基本的にAさんは何か悪巧みをしているか否かに関わらず、何処かで誰かに遭遇すれば名前を呼んで近づいて行きます。
この時、私が返事をすると誰よりも、群を抜いて悪戯のターゲットにされる事が多かった。
「(最初はその対策として無視)」
無反応を決め込んで、貴方がどういった行動に出るのかを観察してから如何に対応するか決めます。
背後から忍び寄って来る場合は、いち早く察知してその場を離れる。
「(それが出来れば何の事は無い)」
ステルス性能が高すぎて、真後ろにピッタリと張り付かれるまで大抵は気付きません。
そうなれば狙いを定めた貴方のイタズラ射程距離圏内。
回避は無理だと諦めるしかない。
前方から迫って来る場合は、いち早く察知してその場を離れる。
もしくは捕獲する。
とは言え、任務に関わる事もあるので最初から逃げる事は出来ない。
よって、貴方の表情が通常モードかイタズラ妖精モードかのどちらか。
判断出来る距離まで間合いを詰めてから対応を決めます。
「(最初はそれで良かった)」
何時だったか、私が貴方の表情を読んでいる事を勘づかれたらしく。
「(そこからが大変だった)」
手短に言うなら、射程距離に入った瞬間に通常からイタズラ妖精にスイッチする。
これがさも当然の様に毎回、会う度に、日常的に行われる。
残された最終手段がこれでした。
『腕を広げて待って居たらいいよ』
初めて実行に移した時。
勢い良く走っていた貴方の動きがピタリと止まり、私を警戒してジワジワとにじり寄って来る。
「(この後の展開は予想していなかった)」
ただ私がこの時、してやったりと思ったのは確かです。
「……おかえりなさい、Aさん」
「ふはは!ただいま七ちゃん!」
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ゆきみ大福(プロフ) - 七海建人は語る (2021年4月20日 7時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - ルナさん» 初コメ!餌やりありがとうございます!!読んで下さってる人、居たんだって泣きそうです。 (2021年4月16日 1時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます…! (2021年4月15日 21時) (レス) id: a28f1e7c3c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 早速来た。低評価荒らし!笑あざすー (2021年4月11日 14時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきみ大福 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/
作成日時:2021年4月10日 22時