こんにちは愛する世界2【呪術廻戦】 (ページ20)

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113:コヨーテページ20

【John】

先生が五条と楽しそうにプロレスごっこをしてる。
俺は楽しそうだなってそれを見てる。

｢A！学長止めてよ！｣
｢ん？｣
｢お前の言い訳は聞かん！！｣

｢『ん？』じゃなくて！この牛久大仏を止めてって！！｣
｢何それ、俺知らないよ？｣
｢…そんなに落とされたいのか？｣

別に懐かしい訳じゃないけど、みんな少しずつ変化してて変な感じ。

｢(俺の知ってる人たちなのに)｣

体の奥がざわざわする。
居心地が悪いとか息苦しいでも無い。
くすぐったい、が近いのかな。

痛いって言ってる五条も、五条に強い口調の先生も楽しそうな色を纏ってる。

｢…ふふふ｣
｢あの…Aが置いてけぼりだしやめません？学長｣
｢…再会の熱い抱擁だったという事にしてやる｣

プロレスごっこ見てるのも楽しかったのに、パッと止めて俺の事をじーっと見てる。
そしたら先生は俺に向かって、質問に正直に答えなさいと言った。

｢アイツの事は話したか？｣
｢…まだに決まってるじゃないですか｣
｢らしくないな｣
｢僕だって、話すタイミング位は考えますよ｣

2人で仲良くコソコソ話をしてから聞いてきたのは、あの日の事。
先生の『無事で何より』から始まって、体調の事を聞いてきて、

｢あの日、何があった｣
｢俺は何も知らない｣
｢…本当に何もか？｣
｢…あの場で待っていれば良い、そう言われた｣

あの日の出来事。
俺が知っている事、見た事。
全てを話せと言われた。

｢祓除が終わって、何処か、外に出て行こうと誰かに言った。俺はあの場に居た女の子の傍に｣

反応は無い。
多分、つづきを話せ。

｢帰りを待ってた。一緒には帰れないと言われた｣

それだけだと言っても反応がない。
名前を出してはいけないと思ったのが間違えだったのか。

部屋の中が静かで、みんなが何を考えているのか、俺には分からない。
何故あの日の事を聞いてきたのかも。

何だか、変な暗い色が漂ってる。

｢……お前には、また前の様に任務に出てもらう。やる事は変わらない。覚えているか？｣
｢負傷した生徒の回収。損壊の激しい遺体の回収。繁忙期は移動時間短縮の為に動く｣

聞かれた通りに答える。
呪物があれば回収はやった事ないから、言わない。
大きなため息が2つ聞こえた。

｢……せっかくだ。お祝いに新しい呪骸を用意する｣
｢…最初のは？｣

別に祝われる事も無い。
俺は俺の、先生から貰った最初の呪骸がある。

それだけのつもりだったのに、凄く暗い色が漂い始めた。