こんにちは愛する世界2【呪術廻戦】 (ページ16)

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109:ロキ(2) ページ16

【りぶ】

｢俺があのまま運ぶで良くねぇ！？｣
｢…うっさーい｣

デカめの俺の主張。

傑なんか振り返りもしないし。
大切そーにAを横抱きにして、スタスタスタスタよ。
既に俺から離れた距離的にアイツらはほぼ豆粒。

硝子はそれを追いかける訳じゃないけど、大丈夫かなって見てる感じ？
しかも、帰る。煙草吸うって返された。

だぁーれも俺の方見ないし。
嘘じゃん？有り得ないじゃん。

｢(マジのガチで帰ってった)｣

ぽつーん、だ。
俺、ぽつーんだよ。

｢(いや何で？)｣

なんかムカつくからお前を追いかける事にする。
ついでに謝っとかないと、多分また痛いから嫌だって逃げる様になる。

最初は医務室。居ない。
次は教室。も居ない。
便所、居ない。

一体全体どこに、

｢(まさか…連れ込んだ？)｣

急いで寮へ。向かうは傑の部屋。
息子の息子に何かあったらどうしようって考えながら。

やっとこさアイツの部屋の前に着いて、勢い良くドアを。

開けるのはやめた。
何がとは言わないけどちょっと怖いから。
ドアにそっと耳を当てても何の声もしない。
だからズバーんと部屋を開けた。

｢…居ねーのかよ！｣

デカめの独り言。
さっきは硝子が返事してくれて良かった。
ありがとう硝子。

つかあれよ、疎外感ってやつ。
マジぼっちの俺。

何か分かんねぇけど寂しくなって高専に戻った。
きっと誰か来るだろなって。
したらこういう時に限って誰ともエンカウントしない。

｢(すげぇやだ)｣

だからワザと校内を歩き回った。
でも、人っ子一人いやしない。

何周かして面倒くなって医務室まで来た。
此処ならいつか必ず誰か運ばれて来るから。

｢…居んのかよ｣

ベッドに横たわるお前。
その傍で机を使って寝る体勢の傑。

そんなお前らを起こさないように、静かーに近づいてやる。
ワザと上から覗いたらお2人ともスヤッスヤ。

｢(お前のは俺のせいか)｣

早く起きて俺に構え。
頼むから早く起きろって、それだけ。
それだけの癖に。

｢(早く起きろって)｣

我儘を言いながら、生唾を飲んだ俺がいる。

｢(プロレスごっこじゃなくて)｣

今なら多分、軽く触る位なら大丈夫。

｢(普通に触りたくなる)｣

この気持ちは何時からか。
最初に気付いた時も医務室で。

｢(お前が傑に拉致られたって思った時)｣

あの日、腕に感じた冷たさとお前の温かさを重ねたつもりは無い。
それでも、感じた恐怖は未だに拭えない。

｢(口にも態度にも出せねぇけど、こっちのが重い)｣