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59:everything but the Iove ページ10

【ハク】

「おはよう」
「……まじ…クソ…可愛いくなぁい…」
「早く終わればまた寝れる」

早朝、まだ外は薄暗いだろう位の時間帯
僕は予感に従うままに、昨日の匣を持ってあなたを起こしに来た

「…行くわぁ…枕も一緒に行こうねぇ」
「分かった」
「…よしよし…枕は可愛いねぇ」


研究設備の方に移動して、僕は薄暗い部屋であなたからデータを取る
厚い硝子で隔てた隣の部屋は黒く塗り潰して、僕が電気を消せば室内は真っ暗

炎の色が良く分かるそこに、真っ白な炎が1つ灯った

《R255.G255.B255》
「(完璧に均等な嵐、雷、雨の3属性の炎)」

自動音声が測定値を読み上げる

赤、緑、青なら混ぜれば白になるのは当然だけれど
澄んでいて、かつ正確に揃うあなたの炎は興味深い

《「(それと僕は匣の正体を知りたい)…始めて」》

マイク越しに言うとその色が青に変わる

《R0.G0.B255》

結果は明白な雨の炎

《…こっからどーするん?》
《「嵐、雷、晴の純正値、雲の中間値を出して」》

青から赤、緑、黄色そして紫へと炎色が変化する

《R255.G0.B0》「(嵐)」
《R0.G255.B0》「(雷)」
《R255.G255.B0》「(晴)」
《R128.G0.B128》「(雲)」

《…絶好調だわぁ》
《「いつも通りだ」》

後は僕の胸騒ぎ、予感を試したい

《「まだ開匣してないね」》
《おぉん…ふかふかしとる》
《「枕だよ」》
《…今すぐ寝れるなぁ》

隙が有ればふざけるのもあなたらしいけど

《「雷と雨だけの炎をだして」》
《……それ何色?》
《「水色」》
《…おぉん?イメージは?》

初めて見たあの時の印象は

《「人魂…仄暗い水色」》
《……見た事あるわぁ》

室内に明るい水色の炎が灯り、ゆっくりと仄暗い水色に変化する

《R0.G255.B255》
《R0.G247.B247》
《R0《おぉん?いま…》
《R0.G211.B21《…なんだそれ》

《R《熱っ!い゛っ!!…てぇ》
《R0.G126.B126》
《「創さん…どうかした?」》
《R0.G103.B103》

突然、連続して匣が開く音がした
かと思えば、あなたの焦った声がして途絶えた

《「聞こえてるの?」》
《R0.G75.B75》
《「創さん?」》
《R0.G18.B18》

《R0.G0.B0》


しばらくの間、真っ黒な闇と静寂が僕達を包んだ

あの黒い匣があの子の物かも知れない
そんな僕の予感だけを残して


この時あなたの右目は溶け落ちて、片方の光が失われた
その代わりに5色の石を詰めた義眼をあなたは嵌める

それでもなお笑うあなたが僕には分からない

60:"光"→←58:everything is everything



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作者名:ゆきみ大福 | 作成日時:2021年1月14日 22時

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