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0048:式を駆る者 ページ50

【陰陽座】

「(不平等に人を助ける)」

女に間違われる様な名前を付けた無責任な父親。全自動ではない因果応報。法の下でしか裁けない悪人。

呪術師はそんな"報い"の歯車の一つだと、不平等な現実のみが平等に与えられている。分かっていても、少しでも多くの善人が平等を享受できる様に。全身に呪力を巡らせて、渾身の最後の一撃を宿儺に食らわせてやろうと覚悟を決める。

「いい。いいぞ。命を燃やすのはこれからだったわけだ。魅せてみろ!!伏黒恵!!」
「布瑠部由良由良___」

何を感じとったのかは知らないが、吼える宿儺を前にして、調伏してない式神。八握剣異戒神将魔虚羅(やつかのつるぎいかいしんしょうまこら)を呼び出す。これしか選択肢は無いと思った。

「(八握(やつかの)___)」

そこで何か感じ取ったのは、肌で感じるピリピリとした雰囲気だけじゃない。宿儺か虎杖か不明瞭でも、捨て身の手段より先に、再び会話。虎杖が戻るまでの時間を稼ごうと。何故か対話しようと、そう思った。

「…俺は、オマエを助けた理由に論理的な思考を持ち合わせていない。危険だとしてもオマエの様な善人が死ぬのを見たくなかった」

頭の中で想起されるのは、一面真っ黄色な向日葵畑に佇む津美紀。そして、

「それなりに迷いはしたが、結局は我儘な感情論。でも、それでいいんだ」

虎杖。不平等な現実のみが平等に与えられていても、きっと大丈夫だと信じる。ブレない自分自身。

「俺は正義の味方(ヒーロー)じゃない。呪術師なんだ。だからオマエを助けたことを、一度だって後悔したことはない」
「…そっか」

スっと、声と雰囲気が何時もの虎杖に戻った。俺はそれが何を意味するのかを知っている。

「伏黒は頭がいいからな、俺より色々考えてんだろ。オマエの真実は正しいと思う。でも俺が間違ってるとも思わん」
『俺と代わることは___』

これが虎杖の遺言で最後の言葉であると、分かって居れば邪魔をする事は出来ない。

「あー悪い。そろそろだわ」

虎杖の口から溢れて流れる赤い血が、何を。雨が未だ降り止まないのは、かえって都合がいい。

『____死を意味する』
「伏黒も釘崎も。五条先生…は、心配いらねぇか」

Aさんが生きているのなら回収して貰おう。それが手っ取り早くて良いと、平静を保てる俺と。

「長生きしろよ」

ガクついて傾いてドサッと地に伏せる虎杖の真新しい遺体。連絡をするのは少し後でに、そうしようと思った。

雨はまだ止まない。

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ゆきみ大福(プロフ) - ボブさん» コメントも評価もありがとうございます。文章力が足りなくてすみません(´;ω;`)分からない所を教えて下されば!解説作ります! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - お話少し難しいけど、読んでいて楽しいです!毎日更新楽しみにしながら過ごしています!星の一番右端押しました!! (2021年7月28日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 絶対に出て来るなぁ。笑える。低評価あざーす (2021年4月28日 12時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきみ大福 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/  
作成日時:2021年4月27日 23時

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