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0045:魔王―輪廻― ページ47

【ギャロ】

「俺と…」

踝迄の水が張る地面に立ち、興味深げな表情で宿儺が見上げる先には、四肢をそれぞれにバラバラに切り裂かれ、壁に埋め込まれた。受胎をして特級呪霊に成り上がった呪霊の凄惨な姿。

「お前がだぞ?」

圧倒的な力の差をその身に、敢えて煽るかの様な宿儺の言葉を耳に刻んだ呪霊は、ふぅと息を荒らげる。次第に原型からかけ離れ、バラバラになった姿がボコボコと音を立て元の人に似た状態に戻り、パシャりと水音を立てて地面に降り立つ。

「いい、機会だ。教えてやる。本物の呪術というものを」

ニヤりと笑い宿儺と再び対峙した呪霊。その前に仁王立ちで構えた宿儺の手は、無駄の無い動作で印契を結ぶ。形は人差し指と小指を曲げ、他は伸ばして合わせる閻魔天印。

「領域展開『伏魔御廚子』」

宿儺の言霊に乗せて、背後に牛骨に囲まれた御廚子か伏魔殿が顕現されたかと思えば、キンと太刀を鞘に納める様な音と共に、呪霊の立ち姿がバラバラに薄く。頭から爪先までスライスされる。

そして、その場に居たAの体も、ピッと赤い線を引き中心から真っ二つに。バシャりと水面に沈んで行く。

「3枚におろしたつもりだったんだが、やはり弱いなオマエ」

声帯を失ってもなお濁ったうめき声を上げる呪霊に、宿儺は真っ直ぐに近づいて行き、露出された。内部構造が顕になったその体内に指を差し込む。ズチュと肉壁と粘液が立てる音は、人の体から鳴る音に近い。

「そうそう。それから…。これは貰っていくぞ」

"これ"と言い宿儺が呪霊の体内から取り出した物は、自身の屍蝋か木乃伊と化した指。それは、虎杖が飲み込み、伏黒とAが回収し損ねた特級呪物。両面宿儺の指。

「終わったぞ!!」

誰の耳にも届かない声を上げる宿儺と、その間にもAの二つになった体の一方は、ザフリと塵芥になり宙を舞う。残った肉体の断面はボコボコと盛り上がり、元の姿へ戻る再生を続けていた。

「不愉快だ!!代わるのならさっさと代われ!!…小僧?……」

高らかに声を上げても、Aの再生と足元に浮かぶ波紋以外の変化は無い。沈黙と静寂だけが囲む空間で、何かの悪巧みが露呈するニタリとした笑みを浮かべる宿儺と、

「ゴホッ」
「…起きたか?死の感想はどうだ」

噎せ返り、咳をするA。体に負っていた傷は明らかに致命傷であった筈でも、彼は再び息を吹き返す。それは彼の魂と体に刻まれた術式"關"の作用。それが彼の意図とする所かは分からない。

「…慣れた」

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ゆきみ大福(プロフ) - ボブさん» コメントも評価もありがとうございます。文章力が足りなくてすみません(´;ω;`)分からない所を教えて下されば!解説作ります! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - お話少し難しいけど、読んでいて楽しいです!毎日更新楽しみにしながら過ごしています!星の一番右端押しました!! (2021年7月28日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 絶対に出て来るなぁ。笑える。低評価あざーす (2021年4月28日 12時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきみ大福 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/  
作成日時:2021年4月27日 23時

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