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0035:魔王―覚醒― ページ36

【ギャロ】

「(今の俺には関係ない。それより先に、何が起きてるのかを説明しなきゃ)」

名前を知らない人達が俺を指差して笑ってたり、何故か怖がって居たり、その内の1人が話しかけて来た。

「な、何だよお前…」
「…俺はA」

それから、その先を話そうとしたら建物全体が呪力を帯び始める。
元々の部屋や廊下を上から塗り潰すみたいにして、どんどん違う景色が展開されて行く。

「何が起こってる!?」
「…変態した」

さっきまで建物の外にあった呪霊の気配が、じわじわと床を引き摺って近付いて来てる。

「それが何だよっ!!」
「…これは呪いの持つ世界」

俺の制服の胸元を掴んで来た人にグラグラと視界を揺らされて、真っ暗な靄がかかって気が散る。

呪霊が見える人かどうかは知らない。
けれど、はっきり見た目が変われば何かが可笑しいと気付くだろうし、初めて見れば混乱するのは仕方ない。

「…『鬼やらい』」

こうなってしまえば呪霊は既に産まれてる。
一先ずは俺も結界を顕現して呪霊への目眩しと、攻撃されても大丈夫な状況を作った。

「…俺の傍、離れないで」
「離れたらどうなる…」

視界の揺れが止まったかと思えば、俺を掴んでる手が小刻みに震えてる。
この人はいま、大きな負の感情を抱いてる。

「…死ぬ。だから、助けに来た」

俺には分からない恐怖。
そして其れは、俺の扱う呪力の源。

「見えてんだろぉ!!」
「なに?何だよ」
「だからどれだよ!!」
「アレ!アレだったよなぁ!?」
「何も分かんねぇって!」

あちら側からは見えないから大丈夫なのに、呪霊を目の当たりにした途端に連れていた人が騒がしくなる。
そして、俺の結界から2人走って出て行く。

逃げて行く人を呪霊は追いかけて、暫くして何処からか悲鳴が聞こえた。
俺が追いかけても、もう遅い。
今のうちにこの人達を建物の外に連れ出したい。

「…出口、案内して欲しい」
「それがねぇから閉じ込められてんだろぉ!」

立ち竦んでしまった2人。
未だ歩く力が残ってる1人は大きな声を上げて、俺の首を絞めて来て呼吸が出来ない。
意識が遠のいて、呪力操作が不安定で、結界は消したく無くて、でも範囲が狭まって来る。

「俺たちを助けるって!言ったよなぁ!!」

呪霊の気配を背後で感じながら、人の悲鳴を聞きながら、記憶が完全に途絶えた。

【窓が受胎を確認し、準2級術師 Aを派遣。避難誘導9割の時点で当該術師との連絡が途絶えた為、5名の在院者を残し施設を閉鎖】

0036:魔王―粛清―→←0034:魔王―胎動―



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ゆきみ大福(プロフ) - ボブさん» コメントも評価もありがとうございます。文章力が足りなくてすみません(´;ω;`)分からない所を教えて下されば!解説作ります! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - お話少し難しいけど、読んでいて楽しいです!毎日更新楽しみにしながら過ごしています!星の一番右端押しました!! (2021年7月28日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 絶対に出て来るなぁ。笑える。低評価あざーす (2021年4月28日 12時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきみ大福 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/  
作成日時:2021年4月27日 23時

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