0033:不倶戴天 ページ34
【陰陽座】
屋外で空を見上げて話す、刑務服を着た丸刈りの男子たち。
【記録 2018年7月 西東京市 英集少年院 運動場上空】
｢おい、なんだアレ？｣
｢ドレ？｣
｢アレだよ！！卵みてぇな！！｣
｢だからどれだよ！！｣
宙に浮かぶ球状の何かについて話している。
アレと言われたモノが見える者と見えない者。
呪いと関わりの無い世界に生きる彼らには、青天の霹靂と言っても過言では無いだろう。
【特級仮想怨霊(名称未定)。その受胎を非術師数名の目視で確認】
所変わって、東京都立呪術高等専門学校。
医務室。
書類仕事をする家入とA。
穏やかな雰囲気の室内にとある歌が高らかに鳴り響き、Aは緩慢な動作で手に持った物をソファに置いてから家入に手を振った。
｢…行ってきます｣
｢行ってら〜｣
それはAのスマホから発せられる特徴的な音で、彼はディスプレイを確認してから迷わずに通話に応じる。
《｢来てください『A』｣》
【窓が受胎を確認し、準2級術師 Aを派遣】
｢避難誘導に助力をお願いします｣
｢…何人いるの？｣
｢職員と在院者、合わせて50名程度｣
強ばった面持ちの補助監督官と無表情のAが少年院の運動場で、空を見上げて立つ。
｢既に数名の補助監督が院内に居ます｣
｢…分かった｣
｢もし仮に…｣
2人の視線の先には今や遅しと羽化を待つ、子宮に入った胎児の様な姿の呪霊。
言葉の先を籠もる補助監督官を見て、Aは口を開く。
｢俺は残るから……みんな逃げて｣
言い切ると彼の姿はゆらりと建物内に吸い込まれて行った。
【避難誘導9割の時点で当該術師との連絡が途絶えた為、5名の在院者を残し施設を閉鎖】
｢…変態した｣
呪霊を見て言うが、それでもAの張った結界の中であれば何の被害も無い。
｢見えてんだろぉ！！｣
｢なに？何だよ｣
｢だからどれだよ！！｣
｢アレ！アレだったよなぁ！？｣
｢何も分かんねぇって！｣
半狂乱の刑務服を着た男子5名。
彼らの目の前には上半身は人に似て下半身は蛹に入ったままの呪霊。
｢…出口、案内して欲しい｣
｢それがねぇから閉じ込められてんだろぉ！｣
結界内のAと刑務服を着た男子1名。
目の前には上半身は人に似て下半身は蛹に入ったままの呪霊。
【緊急事態のため高専1年生3名が派遣され】
｢俺たちを助けるって！言ったよなぁ！！｣
ギチと首を締め上げられ罵倒されるのはA。
そして、地面に転がる人が球に成った物が2つ。
【内1名 死亡】
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ゆきみ大福(プロフ) - ボブさん» コメントも評価もありがとうございます。文章力が足りなくてすみません(´；ω；｀)分からない所を教えて下されば！解説作ります！ (2021年7月30日 22時) (
レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - お話少し難しいけど、読んでいて楽しいです！毎日更新楽しみにしながら過ごしています！星の一番右端押しました！！ (2021年7月28日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 絶対に出て来るなぁ。笑える。低評価あざーす (2021年4月28日 12時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきみ大福 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/
作成日時：2021年4月27日 23時
