検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:11,836 hit

0018:組曲「義経」―悪忌判官 ページ19

【陰陽座】

1人きりで廃ビルに残って、野薔薇と回らなかった残りの部屋を上から順番に回って行く。

やっているのは"反閇"。
陰陽道の時代の人は足さばきと呪文で土地を清めていたらしい。
その動作から名前をつけた。

「(これからが繁忙期)」

何をやっているのかを正確に言うと、残穢を少しづつ床に残して呪力の流れを作ってる。
これなら廃ビルに集まった呪力は残穢を辿って外へ、流動し続ければ澱にはならないはず。

「(だから、呪霊には成りにくくなる)」

既に初夏にはなってしまったけど、呪霊の動きはまだまだこれから。
やりようによっては自然湧きしても等級を下げる位の事は出来る。

「(生まれませんように)」

体に纏わりつく梅雨時期の湿って澱んだ、呪力を含んだ空気はどんよりとしてる。
暗くて重たくて、綺麗とは言えない色でも生存率が上がるなら。

「(少しでもみんなの負担が減りますように)」

あとはこの呪力を俺に集めて、俺の術式で使い続ければ良い。
呪力操作と天与呪縛、生得術式の合わせ技。

「(でも、まだまだ足りない)」

そんな事を考えながら歩けば、あっという間に建物の外に出る。
そこには既に高専に帰ったと思っていた、野薔薇と悠仁が居た。

「おかえり!シースーよね?」
「Aもビフテキだろ?」

五条と恵ちゃんは居ない。
一般人の後処理に回ったのかなって思うのと、

「……何の話?」

2人に言われた言葉の意味が分からない。
しかも空気がヒリヒリする。
どうにせよ、五条が戻って来るまで俺は一緒に居なきゃならない。

「お寿司かビフテキ。どっちが食べたい?」
「やっぱり男子なら肉っしょ!?」
「…ご飯の話?」

野薔薇と悠仁の会話の内容はやっと、たぶん分かった。
ならちゃんと伝えないといけない。

「俺、肉は食べられない」
「よっしゃぁ!聞いたか虎杖!!」
「…マジか。あとは伏黒かぁ…」

言ったら野薔薇が両手を広げてプロレスごっこをして来た。
五条の時とは全く違う感覚。
女の子だからかは分からない。

野薔薇の腕の中は凄く穏やかで、居心地が良くて気分が落ち着いた。

「…あと、この後。用がある」
「えっ!?」
「はい、糠喜びー。頼む!伏黒!」

一緒に行きたいとは思う。
だけど、許可が無いと任務を除いて外に出られないし。

「…ごめんなさい」

嘘を吐いて、嘘は良くない事だから謝る。
いま息苦しいのは居心地の良い場所が離れたから。

きっとそうだと考えてたら、五条と恵ちゃんが戻って来た。

0019:微睡忍法帖→←0017:アキレスと亀



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
159人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆきみ大福(プロフ) - ボブさん» コメントも評価もありがとうございます。文章力が足りなくてすみません(´;ω;`)分からない所を教えて下されば!解説作ります! (2021年7月30日 22時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - お話少し難しいけど、読んでいて楽しいです!毎日更新楽しみにしながら過ごしています!星の一番右端押しました!! (2021年7月28日 14時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福(プロフ) - 絶対に出て来るなぁ。笑える。低評価あざーす (2021年4月28日 12時) (レス) id: 3362b7a468 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆきみ大福 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mutsuki159/  
作成日時:2021年4月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。