異世界転生は夢ではなかった【HUNTER × HUNTER】

第15話 引き返す ページ16

その祈りも虚しく、数分後
後ろの方向からレオリオの悲鳴が響いた


｢！！｣
『レオリオ！！』


｢ゴン！！イズ！！｣

『ごめん先に行ってて！』





キルアの制止の声を振り切って
私とゴンはレオリオの元へ走り出す






｢レオリオ達、大丈夫かな｣


『……大丈夫だって祈ってる』






話の内容を知っているとはいえ
こんなに痛がっている声が聞こえてくると
嫌な汗が出てくる…試験官ごっこ、だよね…。





ここまで2人のペースに合わせて
走ってきたAだったが、
ここで自分の実力を試すことにした







『…ゴン、レオリオとクラピカが
どうなってるか分からない。

何があってからじゃ遅いから
ちょっと先に行ってていいかな？』





ゴンはAがもっと走れることを察したようで、
わかった！すぐ追いかけると言った

それを聞いたAはもう一段階速度を上げて走り出す



霧で何も見えない中、自分の勘を頼りに走り来た道を引き返していく





次第に大勢の声が聞こえてくるようになった
この声は多分、レオリオ達のものだろう





きっと、試験官ごっこが始まったんだ。








神様に力を貰ったと言っても、
自分が使いこなせなければ最強という訳では無い


この世界で家にいる間に
体力作りのために様々なトレーニングを行ったり、
元の世界でいう空手の様なものを教わったり、
自分で出来ることをしてきたつもりだ


しかし神様の言う通り、どこかでドジをして死ぬのかもしれない


かつてない緊張を感じながら私は走り続けた








急いで駆けつけると


｢君達 まとめて
これ一枚で十分かな♣｣






丁度試験官ごっこが開始される瞬間であった

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