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「【闇より出でて闇より黒く その汚れを禊ぎ祓え】」
屋内での帳の展開は正直高度な技だろう。視覚での帳の範囲が屋外と比べても非常にわかりにくい。それに帳の展開は私の大の苦手とするものだ。大きすぎたり小さすぎたり、まあ言ってみれば才能があまりないというわけである。
だけど嫌々言ってもいられない。万が一選手らの前に呪霊が出現した時、帳を張って見えなくすることで本来生まれる恐怖を生ませないために必要なのである。
幸いこのブルーロックの1棟は尋常じゃない程デカい。1棟囲う程度にまで収縮は出来ているので問題はここからさらに小さくできるかだ。選手らと呪霊を分断する時、この1棟サイズの帳では選手も帳内に入れてしまうことになる。そうなると無意味なので。
帳を展開することであぶり出された呪霊たちを薙ぎ倒しながら帳の端を探す。自身を中心にして展開した帳の大きさは、とりあえず感覚的には1階分くらいを覆ったつもりだが……
「……全然、デカい……」
帳のてっぺんは3階、練習フィールドにあった。
─その後モニタールームに向かって何か異常など起きていないかと尋ねようとしてタイミング悪くスマホがメールの受信を知らせた。甚八さんは先にそちらをどうぞという様子で手元のタブレットに目をやったので私もお言葉に甘えて、潔高さんから送られてきたメールを確認する。……すんと血の気が引いていく。
「……アンリさんは?」
「アンリちゃんなら仕置き室に糸師冴を案内してるよ」
「……へ」
「あれ……まずかった……?」
「ッ……!!」
あの時以上に脇目も振らず走る。急げ急げ急げ!!!
─潔高さんのメールには土地の歴史が記されていた。初期の頃自身で調べたものと大差はなく、そこまでは予想内。
だけど問題は判明した呪物に関してである。
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タキタカ(プロフ) - 「へぇ。俺そういう映画とか見たことないから知らないや。というかさっきからオシャさん何ぼーっとしてんの?」 「……オシャ!!!」 「何!?!?」 〜「何て……??」ここで声出して笑いました。面白いです! (9月17日 22時) (レス) @page22 id: baee95592f (このIDを非表示/違反報告)
ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます!pixivの方でもお読みいただき光栄です。今後とも是非、よろしくお願いします! (5月24日 9時) (レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - pixivでもこの作品見てました。やっぱり面白くて好きです。pixivのほうでも無理しない程度に頑張ってください! (5月22日 17時) (レス) id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことこと | 作成日時:2023年5月15日 18時