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ぐわんと部屋が揺れる。視界にいた糸師くんも予想外だったらしくボトルを落としてどうにか転倒を堪えた様子だった。
地震かと思ったが瞬間感じた膨大な呪力に先程の溜息とは打って変わって、細い息が漏れる。
「……2級、呪霊……」
間違いない。2級相当の呪霊が現れた。
呪力の感じる背後を振り返ると、案の定大きさもそこそこあって、何より目を引くのは人の足のようなものが下腹部から10本。上半身であろう部分の大きさと比べて下半身は足以外ほどんと肉が無く、その足の数で上半身を支えているようだった。
すぐさま糸師くんを守るように後退する。ちらりと彼を見るとどうやらコイツが見えているようで目を見開いて固まっていた。幸いにも小豆の布袋は彼の手にある。
「……それ、絶対に手を離さないでね」
顎先で布袋を指すと糸師くんはごくりと喉を鳴らしながらも頷いた。その視線はずっと呪霊から離れない。
突如現れた2級呪霊。その場をぐるぐると周るように動くそれに、足を狙って動きを封じようと考え顕現する。
ショットガンの先を一番手前にあった足の付け根に向けてトリガーを引く。私の呪力が弾丸代わりとなって飛び予想通りの位置に着弾。ばつんという音と共に足が一本飛ぶ。
急いでその場から離れ視線を私に向けさせた。これで奴は糸師くんを眼中に入れず、私を標的にする。
さぁ、来い。
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タキタカ(プロフ) - 「へぇ。俺そういう映画とか見たことないから知らないや。というかさっきからオシャさん何ぼーっとしてんの?」 「……オシャ!!!」 「何!?!?」 〜「何て……??」ここで声出して笑いました。面白いです! (9月17日 22時) (レス) @page22 id: baee95592f (このIDを非表示/違反報告)
ことこと(プロフ) - ぐらす。さん» コメントありがとうございます!pixivの方でもお読みいただき光栄です。今後とも是非、よろしくお願いします! (5月24日 9時) (レス) id: fe3705f0cd (このIDを非表示/違反報告)
ぐらす。(プロフ) - pixivでもこの作品見てました。やっぱり面白くて好きです。pixivのほうでも無理しない程度に頑張ってください! (5月22日 17時) (レス) id: 6255010be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことこと | 作成日時:2023年5月15日 18時