ループ42 …彼らの時が止まった瞬間 ページ1
．
雲「――…」
――そこにあったのは、雲雀が嫌う光景――…
“それだけ”だった
「ひッ、雲雀さん!?」
「あ、あぁ、わ、私達は…!」
「あ、あいつです!!あいつが桜ちゃんを落としたんです!!」
１人の生徒が、背を向けたまま立ち尽くしている錦を指差した
「そッ、そうです!」
「私達は何もしてません!!」
「咬み殺すならあいつです!!」
皆焦った顔で、錦を指差す
そこにあったのは、群れる弱者が喚く光景だけだった
雲雀は扉の前で立ち尽くしたまま、それに更に焦った生徒が錦だ、錦が、と声を上げる
――こいつらは、なんて弱いんだろう
雲雀は耳に届く不愉快な声の中そう思った
周りを肉食、草食と分ける雲雀が、“人間”の弱さを知った瞬間だった
桜が落ちたのに、皆、自分の事しか考えてない――…
雲雀は一瞬の間に、彼らに憎しみと絶望を覚えた
嗚呼、肉食も草食も変わらないんだ
皆、弱いんだ
酷く虚しかった
．
雲「――…だ…」
初めて雲雀が声を出した
途端に2−Aの生徒達は静まる
雲雀は俯きながら顔をしかめていた
雲「君達……ッ凄く不愉快だ
もう２度と僕と桜の前に現れるな…!
２度と、この話もするな…ッ
……僕の耳に欠片でもこの話が入ってきたら、ここにいる全員、
殺してやる――…ッ!!」
雲雀は最後に屋上の１番奥に立つ錦を睨み、屋上を出ていった
．
．
．
嫌だった
絶望した。自分の求めていた強い人間などいないのだと
あんな弱い人間に、桜に近付いて欲しくなかった
トンファーを手に握り締めたまま、壁に寄り掛かりしゃがみこんだ――…
雲「……結局――…
僕も弱い人間だ…………」
誰も咬み殺さずに、背を向けるなんて
雲雀 恭弥は弱さを悟った…
〜回想終了〜
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤羽根咲亜(プロフ) - オリさん» おっとこれは僕への返事ととっていいのかな？ん、いや別に書いて欲しいとかじゃなくて、っていうか僕も書けないし。ただ自分の願望を書き連ねただけなんだ！だからまぁ、わざわざどおもね、逆に！ (2012年4月3日 21時) (携帯から) (
レス) id: e9d00a2b34 (このIDを非表示/違反報告)
れーむ - 何かに抗う人ってかっこよく見えますよね (2012年4月3日 20時) (レス) id: c6665a765b (このIDを非表示/違反報告)
オリ - m(__)m まずは土下座から。すみません、確かに僕もそういう方が主人公らしいと思うんですが…。青藍は“そうしない子”です。僕にとっての強さが、落ちずぶれない事で…。わざわざ有難うございます (2012年4月3日 19時) (携帯から) (レス) id: a5012f7f85 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽根咲亜(プロフ) - 初めましてなのか覚えてないけどとりあえずこんにちは。青藍ってとにかく筋の通った事を言うよね！見てるこちらとしては清々しいけど、続編的なので一度迷ったりとかしてほしい！どうしようもないくらいに落ちて、それでも頑張って筋を通そうとする子が大好き！ (2012年4月3日 19時) (携帯から) (レス) id: e9d00a2b34 (このIDを非表示/違反報告)
オリ - わー!ありがとうございます!! 何かキレてばっかりなのに褒めて頂いた…!感激。 (2012年4月3日 18時) (携帯から) (レス) id: a5012f7f85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オリ | 作成日時：2012年2月19日 22時
