検索窓
今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:226,859 hit

Life is full of tough choices, isn’t it? 14 ページ43

生い茂る木々を抜けた先は夕陽に照らされた少し広めの空間だった。


来た道が自分たちの背後だと意識してなければすぐに道を迷わされる程に四方八方が同じ作りでできていた。


ここに本当にAはいるんだろうか?



「……A!!どこだ!」

「おーい!A!!戻ってこーい!!」

「A!!僕です、アズールです!!!」




静かな広場に声だけが木霊した。
もしかしたらAはもっと奥へ行ってしまったのかもしれない。



「僕なんかの為に…」

「言ったでしょ。Aは人の為に簡単に命をなげだせるんです。だから、独りにさせてはいけなかった。僕達ですら少しでも独りにさせるのが怖いくらいなんですから」

「…っ…Aーー!!どこだー!!」



喉が張り裂けそうなほど、痛くて腫れそうなほど何度も呼び続けた。返事はかえって来ない。


もう日が暮れる。
一旦戻ろう、そうトレイに言われた時だった。





『あ、やっぱりリドルくんだー!』

「あ、ぁあ……A…A!!!」



1番奥の茂みからボロボロになりながら飛び出てくるAの姿がそこにあった。右手にはハートの実も一緒に。

僕は涙が止まらなかった。
Aが無事だった事に安心と喜びで胸がいっぱいになる。苦しくて熱くて、それでもホッとする何かが心に溜まっていた。



「A…!!!」
「A!!!良かった」

「貴方達!!立ち入り禁止の森で何をしてるんです!?」

「はー!!良かったA見つかった!」
「ぐえ!ロープキツく巻きすぎた!」


後ろから双子がやって来た。
それに続いて学園長やエース達も駆けつけた。

監督生の腰にはちゃんと戻れる様にと来た道からここまでロープが繋げられていたのには驚いた。



『あれー?皆どうしたのっ!!うわ!』

「……A良かった……無事で」



平然と歩くAへ1番に飛びついたのはアズールだった。
平気な顔でここまで走ってきたのに一番心配していたんだろう……。

Life is full of tough choices, isn’t it? 【end】→←Life is full of tough choices, isn’t it? 13



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (166 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
420人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:消毒液 | 作成日時:2020年7月12日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。