Life is full of tough choices, isn’t it? 14 ページ43
生い茂る木々を抜けた先は夕陽に照らされた少し広めの空間だった。
来た道が自分たちの背後だと意識してなければすぐに道を迷わされる程に四方八方が同じ作りでできていた。
ここに本当にAはいるんだろうか?
「……A!!どこだ!」
「おーい!A!!戻ってこーい!!」
「A!!僕です、アズールです!!!」
静かな広場に声だけが木霊した。
もしかしたらAはもっと奥へ行ってしまったのかもしれない。
「僕なんかの為に…」
「言ったでしょ。Aは人の為に簡単に命をなげだせるんです。だから、独りにさせてはいけなかった。僕達ですら少しでも独りにさせるのが怖いくらいなんですから」
「…っ…Aーー!!どこだー!!」
喉が張り裂けそうなほど、痛くて腫れそうなほど何度も呼び続けた。返事はかえって来ない。
もう日が暮れる。
一旦戻ろう、そうトレイに言われた時だった。
『あ、やっぱりリドルくんだー!』
「あ、ぁあ……A…A!!!」
1番奥の茂みからボロボロになりながら飛び出てくるAの姿がそこにあった。右手にはハートの実も一緒に。
僕は涙が止まらなかった。
Aが無事だった事に安心と喜びで胸がいっぱいになる。苦しくて熱くて、それでもホッとする何かが心に溜まっていた。
「A…!!!」
「A!!!良かった」
「貴方達!!立ち入り禁止の森で何をしてるんです!?」
「はー!!良かったA見つかった!」
「ぐえ!ロープキツく巻きすぎた!」
後ろから双子がやって来た。
それに続いて学園長やエース達も駆けつけた。
監督生の腰にはちゃんと戻れる様にと来た道からここまでロープが繋げられていたのには驚いた。
『あれー?皆どうしたのっ!!うわ!』
「……A良かった……無事で」
平然と歩くAへ1番に飛びついたのはアズールだった。
平気な顔でここまで走ってきたのに一番心配していたんだろう……。
Life is full of tough choices, isn’t it? 【end】→←Life is full of tough choices, isn’t it? 13
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作者名:消毒液 | 作成日時:2020年7月12日 5時