天高く飛ぶ人魚 ページ13
【 監督生side 】
午後から雨が降るとかで飛行訓練と魔法薬学の授業が入れ替わった。
曇天の中で行う飛行訓練はジメジメとしていてこの世界にも梅雨なんてものがあるのかと思う。
飛行訓練中はグリムの魔法で飛ぶ練習をする為に特別に2人で1つのペアとなっている。
今日は学年合同練習の為、僕とグリムを抜いて5人で1チームだった。
1人目はデュース。2人目はケイト先輩。3人目はレオナ先輩。4人目はリドル先輩。そして最後の5人目はA先輩。
1年生は僕とデュースのみだから少し気が張った。
先生がスタートの合図を出すとそれぞれ魔法で空高く飛び上がる。
「めんどくせぇ…」
開始早々にレオナ先輩の口からもれる声にヒヤヒヤしてしまう。
『あははは!ねぇ見て見て!』
A先輩の高らかな笑い声がグラウンドに響く。
「A!やめるんだ!危ないぞ!!」
「先輩危ないですよ!!」
リドル先輩とデュースが声をかけるが聞こえていないのか『たぁのしい!』と高く高く飛んでいる。
「A先輩!足!足!」
「おいおいアイツ命知らずなんだゾ!」
片足でぶら下がる様に箒にまたがる姿に僕は心臓が飛び跳ねる。確かフロイド先輩も箒に脚だけでぶら下がっていたっけ?
「Aちゃんやばぁ!スマホ持ってたら撮ってたのに〜」
「ケイト先輩!?何呑気なこと言ってるんですか」
わいわいと騒がしくなる僕達のチーム。
先生は今別のチームに付きっきりでA先輩に気づいてない様子だ。
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作者名:消毒液 | 作成日時:2020年7月12日 5時