最前列へXII

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周りがすごいうるさかったけど笑
今私が向かわなきゃいけないところは

貴「もー、そんなに怒んないでよ笑」

飛「怒ってない」

貴「じゃあなんでこっち見てくれないの？」

飛「そんなのAが1番分かってるでしょ」

貴「ふふ、泣いてくれるとはねえ」

飛「うるさい」

貴「ごめんね」
飛鳥の顔が見えるように私も屈む

飛「謝るなら辞めんな」

貴「そんなにやめて欲しくない？笑」

飛「当たり前」

貴「そっか。それならよかった笑」

飛「全然良くない」

睨んでくる飛鳥だけど、全然怖くない笑
これも10年の付き合いだからかなぁ

貴「齋藤の飛鳥さんにやめて欲しくないって言ってもらえるとは笑笑」

飛「やめる理由。教えないと卒業は許さん」

貴「えー、んー。どうしよっかなー」

飛「言って」

貴「じゃあ、私からも交換条件ね」


飛鳥side

飛「うん。」

Aからの交換条件は意味がわからなかった

貴「卒業したら、私のことは忘れる事と、一期生最後まで頑張って笑」

飛「意味わかんない」

貴「これが交換条件」

飛「そんなの無理でしょ」

一期生最後はともかく、今まで10年以上一緒にいて、忘れるって、無理でしょ


貴「無理じゃなくて、忘れるの。守れないなら言わない」

言ってることは無茶苦茶なのに、
Aの声のトーンは至って真面目だった

貴「飛鳥ならできるよ」

飛「私が記憶喪失にならない限り無理だね」

貴「じゃあ話しませーん笑」

忘れるってことは、芸能界引退するのか

奈々美みたいに、一般人として生きていく
そういうことかな

飛「わかった。ちゃんと守るよ」

貴「ん。卒業するのは、私と飛鳥は住む世界が違う人になるからだよ」

飛「そんなことないよ」

貴「でも、少なくとも活動する時間帯が違うわけだから、生活リズムは全く別になるでしょ」

飛「まぁ。それはそうだけど」

貴「だからさ、卒業したら、会えなくなっちゃうでしょ」

飛「そこまでずれないでしょ、海外に行くの？」

貴「まぁ、そんなとこ」

飛「ずるい、ちゃんと教えてよ。どこ行くの？」

貴「飛鳥は賢いから全部言わなくてもわかるし。伝わるでしょ」

飛「それって、」
一瞬だけ嫌な予感が頭をよぎる
いやでも、そんなわけない

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