最前列へXII

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貴「よし、マネージャーさんに怒られる前に戻るよ」

飛「えっ、ちょっとまだ教えてもらってない」

貴「はい！よーいどん！」

飛「あ、待って」

Aは私よりよっぽどキラキラしてて、しっかり者だし、アイドルをちゃんとしてる

同い年だから卒業を考える気持ちもわかるけど。もう少し先だと思ってた

あれからあっという間に卒業したAは、グループのLINEを抜けるだけではなく、アカウント自体を消した

住所も、いつの間にか引っ越していたみたいで、本当に姿を消してしまった

でもそれからすぐにAとは再開することになった

飛「なんでよ、」

あの時ふと頭によぎった事は悪いことは現実になった

飛「なんで！！起きてよ！！A！！聞こえてるんでしょ？！起きろ！！」

どんなに大声で呼んでも、身体を揺すっても返事がかえって来ることはなかった

白「飛鳥、おいで。一回落ち着こう」

飛「ねえ！！起きてよ！！なんで、、なんでっ、」

意味がわからなかった、

あんなにAと一緒にいたのに、
SOSのサインはたくさんあったのに

最後、引き止めるチャンスをくれてたのに

部屋を出ても、涙が止まることはなかった
飛「私のせいだっ、私がっ、止められなかったからっ、ごめんなさいっ、」

白「飛鳥のせいじゃないよ」

飛「ごめんなさいっ」


白石side

久しぶりにみんなと会った10周年ライブ

最近まで一緒にいた気がするけど、卒業してからみんなすごく変わっていた

特に今も残ってる一期生の年少組は、すごくお姉さんになってた

リハーサルでは先頭に立って、みんなを引っ張ったり、スタッフさんとこうした方がいいと思いますなんて話してた

スクリーンに映る過去の映像には
まだあどけない、幼い顔をしてて、不安に押しつぶされそうな顔をしてたのに
今じゃ堂々としてて、見た目も中身もすっかりお姉さんになってる

白「大きくなったねえ」

和「もう、24歳だからね」

貴「メンバー見てもほとんど年下だもん笑」

白「昔は1番年下だったのにね〜」

飛「本当だよ」

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