251話 ページ40
．
『(キングからの連絡は……っと、
"こっちの心配はいらない、君は首謀者の方を")』
端末に映し出されるそんなメッセージを確認して、
ジョーカーは誰にもみられないように、ふぅ、と小さく息をついた。
全て、とはいかないが
それでも肩の荷が多少下りた心地だ。
これで心置きなく パプリカの1件に干渉ができる、と
『(ま、こっちは不本意だけど…)』
やれやれ、と言いたげに眉を下げながら、
ジョーカーはバックヤードにて。パプリカが腰を落ち着けているという一室に出向いていた。
そもそも、深く介入する気がないとはいえ
あの王女様はまだまだ年端もいかない少女なのだ。
今のうちに
悪いことはないだろう。立場的に、
怪盗である我が身がどこまで尽くせるか、
という問題はおいといて
などと誰に言うでもない言い訳を
胸中に呟きながら、話し声の聞こえる部屋の前で
ジョーカーは歩みを止める。
先客がいることはしっていたので、
遠慮する心づもりで扉横の壁に背をつきながら
話し声が止むまで、つと目を伏せた。
※ ※ ※ ※ ※
「ひっ…、ふ、…ぅっく……」
「王女様！？大丈夫ですか、どこか体調でも…」
「違っ、違うんです。ごめんなさい…
王宮におさめてくれていた頃と、変わっていませんね…
懐かしくて、うれしくて……ぅ、ｯぅう…！」
ひとすじ、またひとすじと流れていく涙が
心の内側に溜まっていた不安のよごれを洗っていく。
___やがて、心配そうな視線を向けるピタに気がつき、
慌てて首を振る。無理やり拭った目元がすこし
ひりついた
「これを食べると、
…戦争の頃を思い出してしまいます。」
「ええ…、まだお父様が生きていた頃は戦争中でした、
ほんの数年前ですからねぇ…」
「でも今は。こうして…美味しいものも食べられて、
皆 当たり前のように働いて。笑って暮らせる。
___当たり前に見える事が、
本当はどれだけ素晴らしいことか……！」
噛みしめるようにそう告げたパプリカの顔には
自分の国に対する誇りと、見届けたばかりの幸福な有様を
思い起こして、たおやかな笑みがこぼれていた。
※ ※ ※ ※ ※
"この平和のためにも、
私は良い王女にならなくちゃいけない"
"飾り物の王女であってはいけないんです"
『……』
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カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» こちらこそご丁寧にありがとうございます。私側のフォローもしていただき、僭越ながら痛み入っております。6月は家内の事情もあって続編作成が遅れてしまいそうなのですが、そう言って頂けると誠勝手ながら安心します( ´ｰ`)コメントありがとうございました (2022年6月3日 17時) (
レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - カフェオレ。さん» 返信ありがとうございます。拝見させていただきました。そのような理由があったのですね…その人がしたことは決して許されません。これからも応援しています、のんびり自分のペースで頑張って下さい。 (2022年6月1日 23時) (レス) @page50 id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - こむぎまちさん» 長らくコメントを返信できず申し訳ありません。遅ればせながら、パスワードを公開できない事情、公開に至るまでの旨をページ50話に記載致しました。御手数ですが拝謁いただけると幸いです。 (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - アニメ好きのただのOTAKUさん» 光栄の極み…！これからもこの作品を宜しくしてくださるとうれしいです！コメントありがとうございました！ (2022年6月1日 3時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎまち(プロフ) - 初めまして。作者様にお願いがあります。怪盗少女2と3の非公開解除はいつ頃になりそうでしょうか。 (2022年4月4日 15時) (レス) id: a5368f8fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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