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ふかふかのベッド、甘い匂いを纏った身体は驚くほど心地の良いものだった。
「抱きしめてもいいよ？」
「そんなこと絶対しません」
「あ、俺が抱きしめてあげるのはいいってこと？」
「さっきから冗談ばっかり言わないでください」
背中越しに感じる温もりに、私、何しちゃってるんだろ…と思う気持ちが静かに後ずさりする。
二宮さんの、考えてることがよく分からない。
だけど、そのくらいが今はちょうどいいと心の奥で頷く。
寂しさのせいだ。私のせいじゃない。
どこかで理由付けたかったのかもしれない。
「二宮さんは、付き合ってる人いないんですか？」
「いたらこんなことしないでしょ普通」
「・・・そうですよね」
「てかさ、和也って呼べって言ったこと憶えてない？」
ギシッとスプリングの軋む音。
二宮さんが、こちらに振り返ったのを知らせる。
「軽々しく呼べません」
「呼んでよ、二宮さんって呼ばれんの堅苦しいから」
トン、と指が背中を撫でる。同時に背筋がゾクッと震えた。
「・・・嫌です」
「じゃあ今からアンタ抱くよ？」
「強引ですね」
「Aさんがガンコだからだよ？」
「二宮くん」
「下の名前」
「和也・・・くん」
「まあそれで許してあげる」
ギシッと軋む音が再び聞こえると、和也くんの背中がそっと触れた。
そっと触れた背中に、ゾクっとまた違う感触が伝った。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2017年12月22日 18時
