今日:21 hit、昨日:2 hit、合計:727,217 hit
小｜中｜大
room:24 ページ24
.
私は元々カレの二番手だった。
それを承知で付き合ってたのは、どうしても好きだったから。
一番になれないのは最初から分かってたのに、どこかで、私のことを一番に好きでいてくれてると思っていた。
じゃなきゃ、“好き”だって、甘い顔して、優しい瞳で、私を見れないはずだって。
そう思ったのが、バカだった。
バカで、どうしようもない女に、私はいつの間にかなっていた。
.
「DVD、好きなの選びなよ？」
アイツとの苦い想い出を思い出したとき
私は気が付いたら駅前のレンタルショップに連れて来られていた。
「なんで？」
「俺が一緒に観てあげるって言ってんの分かんない？」
「分かんないです」
「は？バカなの？」
「全然分かんないです」
「Aさん、もしかして酔っぱらってる？」
「酔っぱらってません」
「なら早く選びな」
DVDなんて気分じゃない。アイツとの想い出が甦るだけだ。
呆れて帰ろうと足を動かそうとしたときに見えた二宮さんの横顔が何故か楽しそうで、その瞳が、溶けるほど優しい色で困った。
こんなときに、こんな優しさはずるい。
「どうしてもって言うなら選んであげます」
「意地っ張りだね、俺そういうオネーサン嫌いじゃないよ？(笑)」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妃紀
| 作成日時：2017年12月22日 18時
