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一週間もすれば、忘れられると思った。
だけど、現実はそれほど甘くはなかった。
あっけなく終わった恋は、あっけなく無くなってしまうわけではなく
恋は、残酷なものだと知った。
失った愛は、どこにもない。
私の“大好き”だった人は、“大嫌い”な人になった。
彼の家の鍵を、まだ捨てられないまま。
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「・・・あ、また会いましたね」
仕事帰り。何もない金曜日に、寂しさが募った。
だけど、だからって、この人に会いたかったわけじゃない。
出来ればもう顔も見合わせたくなかった。
「え、無視？」
エントランス前で、偶然バッタリ会う。
それが本当に偶然だったのか、疑いたくなった。
今までこうして頻繁に会うことなんてなかったはず。
「ちょっとAさん、ひどいよ？」
「・・・こんばんは」
「こんばんは、…あ、今日はキレイな顔してんね」
「何ですか？」
「ちょっと付き合ってよ？」
「え、あ、ちょっといきなり何なんですかっ？！」
エントランスを潜ろうとした私の手を引いた彼。
悪戯っぽく笑う横顔に、息をつく暇なく鼓動を速めた。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2017年12月22日 18時
