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「・・・ウゲ」
手鏡で自分の顔を見て、自分の顔に驚愕した。
思わず変な声も漏れた。
それくらい、私はひどい顔をしていた。
「ひどいでしょ？笑っちゃうくらい」
いつの間にか黄色いマグカップを持ち、お隣さんはソファに座って私をからかうような顔をして見てた。
文字通り、彼は笑ってる。性格悪そうに。
タバコの匂いをかき消すように、コーヒーの匂いが仄かに部屋に広がる。
「ひどいどころじゃありません。そんなにジッと見ないでください」
「散々昨日見たからもう慣れたよ」
「はあ・・・」
こんなひどく汚れた顔を、このお隣さんは昨日から見ていたと思うと、ゾッとする。
今更遅いことは知ってるけど。知ってるけど…
「すみません、ご迷惑をお掛けしました。帰りますね、お邪魔しました…」
「ホント迷惑かけたね、俺久々にソファで寝たもん。身体痛いから」
追い打ちをかけるように、冷たい矢が刺さる。
何なのこの男…可愛い顔をしているくせに、どこか冷たい。
二日酔いの頭が、ズキッと痛むと、私はまた大きなため息をついていた。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2017年12月22日 18時
