検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,415 hit

5. ページ5

.



ハラハラしながら見ていると、涼介くんはものすっっっごい低音で、



「……はァ?…」


そう言った。


サングラスだからどんな表情なのかはわからない。


それでも殺気すら感じるくらいの冷たいオーラをまとっていて。


まるでいつか出演した映画みたいだった。



これには相手もたじろいだ。



「消えろ、カス」


続けて、涼介くんがそう言い放ち、掴んでいた腕を乱暴に離すと、


「んっだよ!」


男性はそう言って去って行ってしまった。


「…………」


私は怖さと、バレずに済んでよかったという思いと、助けてくれた嬉しさがごちゃまぜになって、何も言えずに、ただ涙が溢れそうになった。


「あり、がと、ゴザイマス」


本当は、涼介くんに抱きつきたいけど、ここでそんなことはできない。


ぺこりとおじぎをしながらカタコトで言って、駅へ歩き出したのと、


「…、っ」


涼介くんが私の名前を呼ぼうとしたのはほぼ同時だった。


目尻に溜まった涙をぬぐいながら目を拭い、先を急ごうとすると、すぐさまスマホが震えた。


見てみると、それは涼介くんからのLINEで。



涼介怖い思いさせて、ちゃんと守ってやれなくて、本当ごめん


まさかの内容に慌ててメッセージを打つ。


Aなんで涼介くんが謝るの?

A怖かったけど、助けてもらったからもう大丈夫だよ。ありがとう

そう返すと、

涼介助けるのなんて当たり前だから


とだけ返って来た。


…涼介くん…。


じんわりと心があったかくなる。


離れたところにいることが少しだけもどかしいけど。



あとでたくさん話そう。


そう思っていると、ようやく涙の乾いた私の瞳に、小さな私鉄の駅のネオンが映り込んできた。

6.→←4.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:山田涼介 , 恋愛 , ヤキモチ   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みあ | 作成日時:2018年7月30日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。