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固まっていると、
「たまには、いいんじゃない？薮ちゃんも言ってたけど、たまには普通の生活もしてみないと」
…そうかもしれないよ??
…だけどさ、、、
「だったら尚更、このままじゃまずいって！」
ないの？サングラスとかメガネとか、そういう、変装セット。
小声で慌てる私を見て、涼介くんはようやく、レンズに濃い色のついた、アメ色の縁のメガネを取り出してかけた。
そして鼻まで隠れるようにマフラーを巻き直して言った。
「…これでい？」
子犬みたいな顔で首を傾げる仕草に、不覚にもドキッとして。
「…うん、さっきより全然隠れてる」
「じゃあ行こっか。」
「……うん」
歩き出した彼のあとについていこうとして、ふと気づく。
「…ちょ、ちょっと待って！」
「…どした？」
「…どこに、行くの？」
ブラブラあたりを回って店を探すということが、車ではできても徒歩では厳しいんじゃないかと思う。
「ん〜、とりあえずどっか入ろ？俺ちょっと腹へった」
マジッスカ、りょーすけサン…
固まる私リターン。
どっかって…
どこ入るつもり？
カフェなんて女子の聖地、もってのほかですよ！
「ムリムリ！絶対バレる！」
「…そ？」
それから、私が切々と訴え、今夜のディナーは涼介くんの家で食べることに。
涼介くんの家までは、なるべくこのまま人気の少ない裏路地を使って、私鉄で帰ろう！ということになった。
だってもしも、写真とか撮られちゃったらどうするの？
涼介くんはもちろんのこと…私だって嫌だもん。
それが原因で、、、
とかさ。
「駅、こっちだと思う」
昔からこの辺りはよく買い物に来ていたから、私鉄の駅まではなんとなくわかるけど、一応不安だからスマホの地図を出しておこう。
そう思い、自らスマホ片手に歩き出す。
すると、
「…ん」
涼介くんはそう頷いて私の右を歩き出した。
…かと思ったら、私の右手にあったスマホはスイッと涼介くんによって持ち上げられ、
「これは、こっち」
なぜか私の左手へ。
なんで…？
と涼介くんのメガネの奥を覗き込んだ時。
「………！」
きゅっ、と空いたほうの手が包まれる。
どくん、と一気に体温が上がった。
名前変換えっち小説|N-L
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作者名：みあ | 作成日時：2018年7月30日 9時
