びたーすうぃーと。【るぅと】

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ー Side るぅと ー




『ママがね、困ってる人を見たら助けなさいって！へへっ、晴斗くん困ってたから！』

「あっ、あ、ありがとう」

『わぁ！晴斗くんの声ちゃんと聞いたの初めて！』



僕の声を聞いただけで嬉しそうに笑うAちゃんに、この頃から恋をしていたのかもしれない。




今なら思う、初恋。





『これから仲良くしてね！えっと、晴斗くんでしょ？えーっとね、るぅくん！』




仲良くなりたいと思った人にはあだ名をつけるんだって。

それは高校生になった今も変わらないみたい。






高校2年生。


まさか高校まで一緒になれるなんて思ってなかった。




高1のときは同じクラスにはなれなかったけど、高2で同じクラスになれて。



『あっ、るぅくん同じクラスだね！中3の頃ぶりだね！嬉しいなぁ！...もしかして隣にいるの友達！？可愛い！』




Aちゃんのおかげで、あの助けてもらったあの日から友達も作れるようになったんだよ。



『莉玖くん？じゃー、りぃくんで〜』




あだ名がワンパターンなのも可愛いなってくすっと笑ってしまう。




そのあとすぐ莉犬にはAちゃんが好きなことバレちゃったけど。






あ、莉犬ってのは莉玖くんのこと。

小さくてすぐ懐く犬っぽいからって、高1のときにクラスでつけられたあだ名。





『何かるぅくんまた背伸びた？私完全に抜かされてて悲しいよ』



15センチくらいは違う身長。
小学生の頃は僕の方が小さかったのに。




好きな女の子より背が大きくなれて今は嬉しいな。

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