びたーすうぃーと。【るぅと】

#18 ページ19

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ー Side るぅと ー





ご飯をご馳走になった後。

遅くなりすぎる前に帰ることにした。




『ごめんね、私のお母さんに付き合ってもらって』


るぅと「楽しかったです。…また遊びに来てもいいですか？」




ドキドキしながらその言葉を発した。

異性になんて言葉をかければいいのか、未だにわからなくて経験がないのを悔やむくらい。






でも、Aちゃんは笑顔で頷いてくれた。







今の僕の役割はAちゃんを笑顔にさせること。








それから僕はAちゃんとお話がしたくて、さとみ先輩のバイトがある日などを見計らって遊びに行くようになった。






さとみ先輩がいるからLINEの交換は出来ないし、隙を狙ってメモを交換したりアイコンタクトしたりで約束をする。



Aちゃんが苦しそうなときは音楽の話をしたり、話を聞いてあげたり。





最後には笑顔になってもらえるように僕なりに頑張ってる。









そんなある日。



いつものようにお家にお邪魔した僕に、Aちゃんは言った。







『るぅくんは優しいね。…こんな素敵な人の彼女になる人は幸せだ』






悲しそうに笑うAちゃん。




それはさとみ先輩と付き合ったことを後悔してるの？









僕と…。








『るぅくん…？』



僕は無意識のうちにAちゃんを抱き締めていた。









我慢できないほど気持ちが限界を迎えていたなんて、今までの僕じゃ考えられないよ。

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