びたーすうぃーと。【るぅと】

#16 ページ17

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ー Side るぅと ー





Aちゃんに掴まれたけど、顔を見たいのに見せてくれない。


やっぱり俯いたままだった。





『…るぅくん』

るぅと「どうしたの？」

『…好きなのか、わからなくなっちゃった。さとみくんのこと。…助けて』





絞り出したような震えた声で呟く。

今にも泣いちゃいそうだ。






Aちゃんの泣き顔なんか見たくないよ。







『…るぅくん？』





…あれ。





僕を呼ぶ声が聞こえて気づいた。





いつの間にかAちゃんを抱きしめている。







自然に身体が動いていたんだ。







るぅと「Aちゃんの笑顔が見たいです」

『…そんな無茶だよ』

るぅと「ですよね、」






僕が笑わせます。


そんなことを言うまでの自信はないけど、Aちゃんを安心させてあげたい。




Aちゃんはひとりじゃないって伝えたい。







癒しになりたいんです。









『さとみくんで頭がいっぱいになるのが幸せだったの、最初は。好きな人のことを思うとあったかくなった』



Aちゃんに僕の思いが通じたのか、しばらく経ったあとゆっくり話始めた。




『今も頭の中にはさとみくんがいる。…痛みとか、苦しい思いとか思い出してまた苦しくなる』








AちゃんはやっぱりDVをされていたみたい。





ブレザーを捲ると腕に思い切り掴まれたのか青いあざ。


それはすごく痛々しかった。

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