月明かりの下で君と約束をしよう 1

第六話 ページ10

ドラコside




...あんな事を言われたのは初めて、だな。




＿違うわ。私は貴方と友達になりたいの。親が、とか


家が、とかじゃなくて、貴方と友達になりたいの。




あれはどういう意味だったのか、僕には理解できなか


った。




今まで、マルフォイ家の権力や財産目当てで僕や父上


に近寄ってきた奴らばかりだった。




父上も相手の家柄や完璧な純血かで人を選んでいた。




僕もそれを見て学んだ。




サクラ・フローレンスが言っていたのは、家柄など


で僕と友達になりたくないという事なのか？




ドラ ｢(余計に訳が分からないな。なら、なんのため


に僕に近づくんだ？)｣




細くて長い指は、今にでも折れそうなくらいだった。


透き通る様な白い肌に、林檎の様に赤くて血色の良い


唇がよく目立っていて、そして、長くて程よいカール


がかった睫毛の下から覗くヘーゼル色の瞳がキラキラ


と輝いていたのを思い出し、僕はいっきに顔が熱くな


る。




ドラ ｢(な、何でこの僕が、あいつを思い出して熱く


ならないといけないんだ！！)｣




頭を抱えるくらいイライラしたが、折角セットしたオ


ールバックを崩すまい、と僕は代わりに拳を握り締め


た。



ドラ ｢(サクラ・フローレンス...要注意人物だ


な。)｣




　＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿




グラ ｢(なぁ、ドラコ、なんか怒ってないか？)｣




ゴイ ｢(やっぱりそうだよな。さっきのサクラとか


言った美女となんかあったんじゃないか？)｣




グラ ｢(...美女だったな。)｣




ゴイ ｢(ああ、俺、あの子がスリザリンの事を願う


よ。)｣




グラ ｢(そうだな。)｣

第七話→←第五話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す