甘い誕生日 (JUMP短編集)

Happy Birthday Keito！(1) ページ7

4月1日


ホントかウソか分からないことが世界にたくさん溢れる日。



だけど、私の大好きな彼が25歳になったことはウソじゃない。



彼にとって特別なこの日に私もいつも以上に気持ちを伝えたい。


だから


今日は彼の誕生日をお家でお祝いして甘い時間を過ごすのを二人で前から楽しみにしていた。




そのはずだったのに。







今は楽しみだった甘い時間とは真逆な状況になっている。






「私圭人くんにウソつかれるなんて思ってなかった。

もう信じられない。」







私の言葉を聞いてこの世の終わりの様な顔で私を見てる圭人くん。



それに対して泣きすぎて頭も痛くなりつつある私。




そして全然幸せじゃない二人をどんよりとした空気が包み込む。





私の彼を拒否する言葉に慌てる。



「あの。 ごめん！ でも今日エイプリルフールだし。」

「だとしても吐いていい嘘と悪い嘘があるよね？」


彼の言い訳をぴしゃりと跳ね返す。



「そうだよね。 ごめんなさい。」


私のいつもと違う雰囲気にどうしていいのか分からないのか小さな声で謝られる。




さっきからいっぱい謝られてる。



だけど私の気持ちは収まらない。



たまらずに彼に聞いてしまう。



「その箱どうするの？」



私が指差したのはローテーブルに置かれている可愛くラッピングされたお菓子の箱。



可愛いらしいそのフォルムでそれは今私達の仲を乱してきた。



否




圭人くんにそれを贈った主に私が乱されている。

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