甘い誕生日 (JUMP短編集)

Happy Birthday Kei！(4) ページ22

私の言葉に本物の猫のようにラグに座りながら私を見上げて首をコテンとしてくる。



その仕草に跳ねる鼓動。



絶対、私がこれに弱いの知ってるって分かってての慧の行動なのにその仕草にキュンてしてしまう。






「ねぇ。ねぇ。」


ピョンと身軽にラグから私の隣に座ってくる。


どうしたのかなぁって思った瞬間。









「慧！？」


それは一瞬のこと。




気付けば背中にはひんやりとした革の感触。


真上を向けばとろんとした彼の瞳。




可愛いかったはずなのに見上げる彼は全くの別の表情。



色を纏ったその顔に身体が甘く疼いて熱くなる。




「可愛いだけじゃない大人の俺も見たいでしょ？」



私の気持ちを見透かしてるかのようなその言葉に今度は身体にこもる熱が昇る。



そして、私の頬に長くて綺麗な指が滑り心地良さと同時にぞくりと別の感覚。



その感覚に従って彼に自分の身を全てを委ねてしまいそうになる。


だけど




「ちょっと待って！」


私の顔の両サイドに立てている慧の腕をすり抜けて起き上がりくるんと形成逆転。


「へ？」



普段あまりない状況に見下ろした彼の顔も口を開けてぽかんとしている。



自分の中にある熱に身を任せた結果のこの状況に自分でさえドキドキしている。


だけど


「ダメ。 今日は慧の誕生日だよ？」

「えっ？ うん？」


彼の戸惑いがその声色と表情で分かる。

それを見て私の想いを伝える。





「いつも私がいっぱい愛されてるから……」


言葉のあと、さっき彼がしてくれたのと同じように彼の真っ白な頬を撫でてから耳元で囁く。


「今日は私がいっぱい慧のこと愛してあげる。」

「つっ、、」




瞬間、二人の間にはさっきまでなかった色を含んだ空気。





その空気を肌で感じながら耳元から慧の薄く開いたぷっくりした赤へ唇を滑り落とす。




Happy Birthday Kei！ END

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