【募集企画】Re:birth【募集中】

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少年Aは、取り調べの中で、担当した刑事に一言こう言った。「僕は選ばれし人間なんだ」と。

そして、それから少年Aは、その刑事のフルネーム、生年月日、5歳になる娘がいる事まで言い当ててみせた。……いや、その刑事だけじゃない。取り調べの様子を見ていた他の刑事たちの個人情報まで、すらすらと述べた。その全てが正しかった。
勿論、刑事が容疑者に自分の個人情報をぺらぺら話す訳がない。
何も聞かされていない状態で、彼らの個人情報を言い当てたんだ。
その事に、事件を担当した刑事たちは驚かされた。そして、更に驚いたのは、少年Aが警察に連行された翌日、とある出版社に送られてきた、その少年Aが書いた手記の内容だ。


《大人は、僕のことを自分たちの尺度で測り、言葉の鎖で縛りつけようとする「こんなのできて当たり前なんだ」「いいかげん大人になれ」なんて、もう聞き飽きたあいつらは、僕のことを人間だなんて思っちゃいない

僕は選ばれし人間だこの虚構だらけの社会の裏側を明かすために生まれてきたただの所有物として飼い殺されていい訳がないだから、僕があいつらに、社会に殺される前に、生き汚いあいつらの腹の中を暴いてやった》


そこからは、人間の腹を捌いた時の感触について詳細に書かれていた。
重要なのは、その先だった。


《バカな警察は考えもしないだろうこの世に、人間が持つ情報を書き換えられる存在がいるなんてこれまでの事件は、この力で目撃者の記憶を改ざんしてきただから、絶対に捕まる訳がない……そのはずだった》


その後には、5件目の事件の目撃者の記憶を書き換えるのに失敗した事、警察が自分を見つけるのも時間の問題だという事が書かれていた。

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