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「ついて来ないで！！」
開けた口を閉じられないまま90分が終わり、とにかく逃げなきゃ！と、チャイムと共に教室を飛び出したものの、松村くんはなぜか私のことを追いかけて来た。
何こいつ、メガネのくせにめっちゃ足速い！！
結局は早々に私のほうが力尽きて、裏庭のあたりであっさり御用となったのだった…
「だってあなた、一文字もノート取って無かったじゃない。」
「はぁ…？」
「写した方がいいんじゃないかと思って。」
松村くんは自分のトートバッグからごそごそとノートを取り出すと、「どうぞ？」とこちらへ差し出して来た。
…確かに、板書どころじゃなかったからノートなんて全く取ってない。教授が何を話していたのかも記憶に無い。そしてもちろん、他に借りられそうな友達もいない。
しぶしぶ受け取ると松村くんはさらにトートバッグを漁り、「これも」と、1冊の本をノートの上に載っけて来た。
「この前、俺が話してた小説。よかったら。」
「…あのさ、この前のことは忘れてくれない？」
「楽しくなかったんだろ？まぁ元々俺に向いてないことは分かってて、なのにお金もらって申し訳ないなぁって思ってたから。これは、その罪滅ぼしだとでも思って？」
「…そんなことない！楽しかったよ！
すごく楽しかった！
けどあのー…友達いなくて男の人借りたなんて普通に恥ずかしいんで、できれば忘れて欲しいなって…」
少しずつ後退りする私のことを、今度は松村くんが驚いたような顔で眺めている。
「そんなこと言ったら、あんなバイトしてる俺の方が弱み握られてない？」
「えっ？あんな選ばれしイケメンしかできないバイト、むしろ勝ち組では？？」
「…そんなこと、思ったことなかった。」
ははっ、と笑うと、あの日と同じ尖った犬歯が覗く。
ああ、本当に、松村くんが北斗さんなんだ。
また会えた喜びより、突然の再会に戸惑う気持ちの方が大きい。
けどやっぱり、綺麗な声。
「どうせなら、今度のグループワーク一緒にやらない？もし、まだ相手決まって無かったら。」
松村くんが、そっとメガネをかけ直す。
新緑の隙間を縫って、足元に注ぐ光。
なんだか、背中を押されているみたい。
「…いいよ。私も1人だったんだ。」
ポツリと発した言葉は小さく頼りなくて
ふわりと吹き抜ける春の風の中には、松村くんの甘い香水の匂いが混じっていた。
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マヨ(プロフ) - YUUKIさん» わーぉ、ありがとうございます！！お気に入りのシーンはじゅったんとの公園ネイルです！（北斗わい）楽しんでもらえて嬉しいですーーー！！ (6月22日 9時) (
レス) id: 99f2c21ac8 (このIDを非表示/違反報告)
YUUKI(プロフ) - 今日全部読ませていただきましたが、めちゃくちゃ面白かったです！！ (6月21日 22時) (レス) @page50 id: 856434f156 (このIDを非表示/違反報告)
マヨ(プロフ) - まゆみんさん» ホントそれですねwwwいじけ虫ほっくんです！ (6月15日 21時) (レス) id: 99f2c21ac8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 隣を取られたみたいで逃げましたね…笑 (6月15日 12時) (レス) id: 234c3a248a (このIDを非表示/違反報告)
マヨ(プロフ) - ミエさん» 初めまして！うわ〜ありがとうございます！「心鷲掴み」なんてめちゃくちゃ嬉しいです！いじけほっくんは置いておいて、しばらくじゅったんと青春する予定です、よろしく！（また松村担に怒られるヤツ） (6月15日 6時) (レス) id: 99f2c21ac8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マヨ
| 作成日時：2023年6月9日 0時
