07:脅威(♀)と心配 ページ20
緊急手術から数時間後の夜19時。
医務室にいたオスマンとひとらんらんの耳に騒がしい足音が聞こえ、その足音が扉の前で止まったかと思えば大きな音を立てて開かれる。
驚いた2人は視線を向けると、そこにいたのは息の荒いゾム。
後ろにはしんぺい神とコネシマも立っていた。
os｢お前らなぁ…ここ同盟国やぞ｣
ht｢もう少し静かにしなよ…｣
呆れたように言うオスマンとひとらんらん。
しかし、慌てる気持ちが理解出来る故にあまり強くは言えないのだろう…2人は彼らに入室を促し、アルトの側へと呼び寄せた。
いち早く動いたのはやはりゾムで、駆け寄ってすぐ片割れの顔を覗き込む。
彼らが来る1時間程前から容態も安定した彼女の顔色は、手術後よりも大分良くなっており表情も何処か穏やかで、それを見た3人はホッと胸を撫で下ろした。
zm｢よ、よかった…よがっだ…ｯ！｣
片割れの無事を確認出来たゾムはその場にへなへなと座り込み、滅多に見せない涙をその瞳からポロポロと零した。
無理もない…2人は生まれた時から常に一緒で、いくつもの苦難を共に乗り越えて今まで生きてきた。
互いにとって片割れは“己のもう一つの命”と言っても過言ではないのだ。
その様子を見ていたコネシマやしんぺい神の顔にも笑が浮かび、彼らがアルトの生を喜んでいた時…微かに聞こえた音。
『ぞ、む…？』
それはベッドで寝ているアルトの声で、それを耳にした彼ら5人は一斉に彼女の方へと顔を向けた。
ht｢アルトちゃん！｣
os｢気が付いたんやね！苦しいとか痛いとかない？？｣
声をかけると彼女は顔を横に振り、不快の有無を示した。
すると、アルトは自身の右手にある暖かな存在に気が付く。
…片割れであるゾムの両手だ。
両手でぎゅっと握りしめているその姿はまるで子が母に縋り付いているかのようで、それを見たアルトは笑を零す。
『んふふ…泣き虫、直ってへんやん』
zm｢泣き虫とちゃうわ！！めっちゃ、心配したんやぞ…｣
kn｢ほんまやで…グルッペンから聞いた時、心臓止まりかけたわ｣
彼らの言葉に謝罪するアルトだが、その表情は到底謝っている時のものではない。
ペリドット色の瞳は細められ口元は緩く弧を描き、彼女からは笑い声が絶えなかった。
それを不思議に思ったオスマンが聞いてみると、彼女は心の内を言葉にする。
『いや、心配されるんも嬉しいもんやなぁ…って』
たまにはええかも。
ｰｰｰこの一言で5人にしこたま怒られたのは言うまでもない。
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Aruto(プロフ) - コメントありがとうございます！ホントですか！？実は私もそのお言葉をいただいて(心が)ピョンピョンしてました！お仲間ですね^^！！！← 進展速度遅めの作品ではありますが、これからも｢脅威(♀)｣シリーズをよろしくお願いします！！ (2020年3月27日 23時) (
レス) id: e2efe79ded (このIDを非表示/違反報告)
不透明(プロフ) - 続編が来たって分かった瞬間部屋でずっとﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝしてました（笑） これからも頑張ってください! (2020年3月27日 18時) (レス) id: 187d5f8a14 (このIDを非表示/違反報告)
Aruto(プロフ) - コメントありがとうございます^^まさか一気読みとは…！笑 そのお言葉が作者の糧となります、ありがとうございます！！！進展速度遅めのこのお話ですが、どうか今後ともよろしくお願いします！！ (2020年3月27日 6時) (レス) id: e2efe79ded (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 面白くて一気に読んでしまいました笑 更新頑張ってください！ (2020年3月27日 3時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aruto | 作成日時：2020年3月25日 17時
