検索窓
今日:30 hit、昨日:15 hit、合計:160,596 hit

*** ページ28

集合したころには絵の具で塗りつぶしたような水色だった空がいつのまにかオレンジ色に染まっていた。


賢章「まだ太陽がいてもこの時間帯になると風が寒くなるね〜、俺もドラム缶のとこ行く。」


賢章は立ち上がり、すでにじらいちゃんやいちはちが暖を取っているドラム缶の傍に手をやった。


「まだ焼き芋完成しないので寒かったら先生たちみたいにリビングいても大丈夫ですよ。」


そう言いつつAもドラム缶で暖を取っているじゃないか、と賢章は笑った。



賢章「いいの、ドラム缶であったまるっていうこの状況も含めて楽しいんだからさ。Aちゃんだってそうでしょ?」


Aはその問いには答えず賢章に笑いかけた。



「……賢章さん。ドラム缶のなか、見てください。」


ドラム缶を覗くとパチパチと薪の上で火花が躍っているようだ。


賢章「うわーバチバチしてる。」



いちはち「Aさん今なにか考えたでしょ、何考えたの?」



「……ドラム缶のなかで火花がダンスしてるなーって考えました。なんで何か考えてるって分かったんですか?」


Aが少し悔しそうに聞いた。



いちはち「Aさんが何か面白い言い回しを考えた時は決まって口が動いてんの。自分で気付いてなかったんだ?」



Aは咄嗟に口元に手をやった。



「……気付いてなかったです……。」




じらい「実はじらいちゃんもそれ知ってたんですよねー……。」


躊躇いながら、といった様子でじらいちゃんが口を開いた。




いちはち「じらいさんも気付いてたんだ。無意識に口が動いちゃうの可愛いなーと思って聞かれるまでは黙ってたんだよね。」


「早く言ってくださいよ〜……。」




Aは大きなため息をつきながらその場にしゃがみ込んだ。



「恥ずかしい……。」





ドラム缶のなかで薪が崩れたようにガコン、と音を立てた。

賢章さんの悪だくみ→←***



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (226 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
299人がお気に入り
設定タグ:BinTRoLL , 花江夏樹 , リモーネ先生   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まめこ(プロフ) - そらなぁさん» そらなぁさん、コメントありがとうございます!レス遅くなりすみません!発想を褒めてくださりありがとうございます!予定の調子が良ければ今月中にまた更新できると思いますので今後ともよろしくお願いいたします〜! (2021年3月12日 21時) (レス) id: 3aefbeea6b (このIDを非表示/違反報告)
そらなぁ - コメント失礼します。もう、読んでいてめちゃくちゃ楽しいです!bintrollのシェアハウスなんて私だったら絶対思いつかない設定なので、尊敬しながら読んでいます。体に気をつけながら更新頑張って下さい。 (2021年3月4日 23時) (レス) id: 9b06ee166f (このIDを非表示/違反報告)
こひまめこ(プロフ) - ひめかさん» ひめかさん、初コメントありがとうございます!嬉しいです!色々立て込んでいて更新が遅れている状況ですが、ひめかさんからコメントも頂いたのでできる限り近いうちに更新しますね!本当にありがとうございます! (2021年3月1日 20時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
ひめか - 初めてコメントさせていただきます!キュンキュンしながら楽しませていただいております(^^)これからも楽しみにしてます! (2021年2月25日 15時) (レス) id: 45f6c41ced (このIDを非表示/違反報告)
こひまめこ(プロフ) - 言いそびれました!私もBinTRoLL大好きです!!!笑 この作品にたどり着いてくださり、誠にありがとうございます! (2021年1月29日 15時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まめこ | 作成日時:2020年9月6日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。