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正一「Aちゃん、薪運ぶなら俺がやるよ。」
正一がAの持つ薪をひょいと自分の腕に収めていく。
「あ、りがとうございます。」
Aが驚いたように正一を見た。
正一「ん、何?」
正一がAの視線に気付き首を傾げた。
「あ、いや、何でも。ありがとうございます。」
正一「それさっきも聞いた。」
正一はカラカラと笑う。Aも心がぽかぽかと温まるような心地がして正一の隣に立って歩いた。
「そういえば、さつま芋もありがとうございます。今日の焼き芋だけじゃ食べきれなさそうなので、今度さつま芋の入ったパンでも作りますね。」
正一「あほんと?嬉しい。前にロールパンか何か作ったでしょ。先生たちに自慢されたから羨ましかったんだよね。」
めっちゃ美味しかったって言ってたよ、と正一の言葉が続くのでAは緩む頬を隠すようにマフラーを口元まで引き上げた。
正一はそれを横目に自分もニヤッと笑った。
正一「そういえば賢章さんが、さつま芋の中に面白いもの入れといたって言ってたよ。」
正一が思い出したように言った。
「面白いもの……と、言いますと?」
正一「何かは分からないけど、先生と一緒にニヤニヤしながら話してたよ。」
「へー……何でしょうね。」
Aが考え込んだように返事が薄くなる。
さつま芋の中に混ぜた面白いもの。賢章さんと先生のことだから食べられなかったり危険なものではないだろう。
ということは芋関連で別の種類とかそういったことだろうか。
そういえばジャガイモが冷蔵庫にいくつかあるけどそれもこの際だから一緒に焼いたら美味しいだろうな……バターはあったような……。
正一「___ちゃん、……Aちゃん?」
「……はい?何ですか?」
完全に考え事に没入していたAは、もやもやと考えの抜けきらないままに返事をした。
正一「薪、ここでいい?」
気が付くと、とっくにドラム缶の傍まで来ており無意識のうちにアルミホイルに包まれたさつま芋を手にしていた。
「っ、いいです!ありがとうございます!」
☆順位2桁ありがとうございます。びんとろ民さまの力をひしひしと感じております……。
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まめこ(プロフ) - そらなぁさん» そらなぁさん、コメントありがとうございます!レス遅くなりすみません!発想を褒めてくださりありがとうございます!予定の調子が良ければ今月中にまた更新できると思いますので今後ともよろしくお願いいたします〜! (2021年3月12日 21時) (レス) id: 3aefbeea6b (このIDを非表示/違反報告)
そらなぁ - コメント失礼します。もう、読んでいてめちゃくちゃ楽しいです!bintrollのシェアハウスなんて私だったら絶対思いつかない設定なので、尊敬しながら読んでいます。体に気をつけながら更新頑張って下さい。 (2021年3月4日 23時) (レス) id: 9b06ee166f (このIDを非表示/違反報告)
こひまめこ(プロフ) - ひめかさん» ひめかさん、初コメントありがとうございます!嬉しいです!色々立て込んでいて更新が遅れている状況ですが、ひめかさんからコメントも頂いたのでできる限り近いうちに更新しますね!本当にありがとうございます! (2021年3月1日 20時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
ひめか - 初めてコメントさせていただきます!キュンキュンしながら楽しませていただいております(^^)これからも楽しみにしてます! (2021年2月25日 15時) (レス) id: 45f6c41ced (このIDを非表示/違反報告)
こひまめこ(プロフ) - 言いそびれました!私もBinTRoLL大好きです!!!笑 この作品にたどり着いてくださり、誠にありがとうございます! (2021年1月29日 15時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ | 作成日時:2020年9月6日 14時