44.カエルが帰る！！ ページ15
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和也「羽柴となに話し込んでたの？」
「別になんでも」
和也「ふうん？」
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いかにも高級そうな建物に導かれるように入り、少し先をいっていたカズの後ろを慌てて追って
エレベーターに乗り込む。
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和也「どうせロクでもないこと言われたんでしょ」
「楽しんできてくださいねって」
和也「へえ」
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ピンポーンとエレベーター内に響き渡る、チャイム音。それからゆっくりと扉が開けばーーーー…。
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「…、は…、」
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私の目の前に広がった世界は、果たして現実世界なのかと疑ってしまう。
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和也「本日はお招き頂きありがとうございます。二宮です」
○「ようこそ。そちらの方はお連れ様ですか？」
和也「あぁ…、はい」
○「左様でございますか。それではお二人ぶんのチケットでございます。」
和也「ありがとうございます。…ってオイ」
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ダダダだといくら連打しても、さっき行ってしまったエレベーターはすぐには降りて来てくれやしなくて、願いは虚しく。
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和也「ボタンが壊れる」
「ーーーか、かえる」
和也「蛙？両生類は苦手よ」
「そっちじゃなくて！帰る！帰宅の方！」
和也「ハァ？」
「こ、こんな煌びやかなんて聞いてない」
和也「そんなん知らない。Aの想定してたパーティーがどれぐらいの規模か知らないし」
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もう煌びやか、なんてもんじゃない。
煌びやかを通り越してる広い宴会会場には、もう総額おいくらですかってぐらいのお料理がズラーと並べられていて
そんな会場の中を行き交っているのは、芸能界の人だったり、政治界の人だったり、いやもうテレビでしか見たことがない人たちばっかり。
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「大丈夫、一人で帰れる」
和也「あ？帰さねぇよ」
「…は？ちょ、あっ！？」
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グッと掴まれた右腕。力は私より細そうなのに男の人だからか無駄に強くて。
入り口に立っているホテルのコンシェルジュのような人たちがにこやかに私たちに一礼。
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和也「今のAは人生至上一番綺麗なんだから。胸張って歩けばいいの」
「そんな無茶な」
和也「隣に俺がいるんだから心配すんな」
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カズはそう笑って、入り口の透明なドアを
開けた。
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