・・・ ※少々背後注意 ページ21
『皆様に断ってきましたが、本当にこれでよろしかったのですか？』
「うん」
『私、先程ご主人様の誕生日を知ったもので何も用意していなくて』
「で？」
『代わりに今すぐご用意出来るものを渡そうかと』
「そう。あ、僕前から欲しい物があったんだよね」
夜も更けて月が梟の目を更に色濃くさせる頃。
彼の部屋に入ってすぐに鍵をかけられた午後10時頃。
「君という宝石が欲しいな」
『確かに貴方様のお部屋には煌びやかな石が溢れてらっしゃいますね。私では見劣りすると思うのですが、その辺はどうお考えでしょうか』
「何の為に鍵かけたか分かってないでしょ」
寝台に腰掛けていた彼が扉にぴったりと体をくっつける僕にずいっと近寄る。
「話逸らさないで。ねぇ、逃げないの？」
『鍵がそちらにあるというのに今この状況からどう逃げろと？』
この服じゃなかったら部屋に入った時点で回し蹴りをお見舞いしていただろう。
ロングスカートを憎もうか。
「お願い。……俺から逃げないで」
『っひ』
「怯えないで。残り2時間傍にいてくれるだけでいいから」
柔らかな肉に突き立てられる刃。
荒めの息と男らしい手に肩が跳ねる。
突然1人称が変わったことと低めの声音に心臓が高鳴るのを認めたくない。
『傍にいるだけ、ですからね。それ以上の事は認めませんから』
「ん、分かってる。こっち来てよ。朝のお返しね」
ぼすっと寝台に落とされる。硬い床じゃなかっただけまだマシか。
『……ご主人様。いきなり抱きつかないで頂けますか？あくまでも私は下級身分で』
「その役作りもうやめてよ。疲れたでしょ」
『じゃあ退いてください。重いです』
「ラルの体あったかいね」
話聞いてんのか。
叫んだら彼は来てくれるかな？
「ナワーブにこうされた事は？」
『いえ1度もっ』
「じゃあ俺が最初だ」
『いつもの貴方じゃない』
「僕じゃない俺は嫌？ねぇ、顔真っ赤なの気づいてる？」
その口を止めていたネジは一体どこへ？
「素直じゃないなぁ」
『もう満足ですか』
「ううん、まーだ足りないかな」
『何が目的ですか。僕では到底貴方を喜ばせることなんて出来ませんよ』
「今はまだいい。いつかちゃんと君を頂くか、ら……」
『ごしゅ、キャンベルさん？』
すーすーと聞こえる寝息。僕を置いて寝たなこの人。
『っはぁ……。厄介な人に絡まれちゃったなぁ』
瞼を閉じながら額に手を当てて、すっかり熱で染まった部分を隠しながら呟く。
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白狐-bilyakko-(プロフ) - リパ推しの雪さん» ありがとうございます！(*´`)更新頑張ります！！ (2021年3月1日 9時) (
レス) id: 6701540cff (このIDを非表示/違反報告)
リパ推しの雪 - すごい素敵な作品ですね！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年3月1日 5時) (レス) id: e92c1b8c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐ーbilyakkoー | 作成日時：2021年2月27日 1時
