六 ページ6
.
そこからのスピードは早かった。
Aに情報を集めさせ、それを基に銀時達は動いていく。
無駄な動きも少なく、ようやく恋人といわれたその男に辿り着いた。
「えっ…貴方達を依頼…?」
男は女か何でも屋を使ってまで探していることを知り、ひどく狼狽した。
彼によると、女に出会ったのは約半年前。
よくある話ではあるが、出会い系サイトで知り合い、一度だけデートをしたのだという。
デートをする前から連絡の強要や頻繁にメッセージがきたりなど、非常に困っており、一度だけ会ったらそれだけの関係にしようと決めていたとのこと。
そして、実際デートをし、別れた後、
『今日はありがとう。これからも二人仲良くしようね』
と、さも付き合っているかのようなメッセージが届き、怖くなって慌てて連絡先を全て削除し、関係を絶った。
…つもりだった。
「話の流れで、俺の仕事や家のことを、話してしまってて。
まあ、それは俺も馬鹿なんですけど。
実家にまで電話したり、職場までついてきたり。
…もう、怖くて」
男の黒目は揺れている。
相当参っているようだ。
「僕達が力になりますから。大事にならないためにも協力していただけますか」
「勿論です。よろしくお願いします…!」
男は深々と頭を下げた。
彼の話には一貫性がある。
本当かどうか調べるため、彼の同僚や家族に尋ねるも同様の答えだった。
同僚のうちの一人は、つけてくる女に直接注意までしたという。
依頼者の彼女に明らかに非があることは明白だ。
もうこれ以上、犯罪の片棒を背負う訳にはいかない。
「A。そっちの具合はどうだ」
万事屋に帰り、ソファーに座りパソコンを叩く彼女に話しかける。
「女性から、彼のことはどうなってるんだ、って催促がきました。
まずいですね。
早くどうにかしないと」
「このままだとあの男の人、いつ危害に遭ってもおかしくないですよ」
「…手段にしては手荒だが、あれをした方がいいな」
銀時の作戦を聞き、Aは目を丸くする。
パソコンを叩く手も止まっていた。
「そんな危ない橋を渡ってまで…」
「大丈夫だ」
話を遮って、
「依頼を受けたのは俺だ。
その責任は果たしてやるさ」
と言って怪しげに笑った。
.
87人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nattu(プロフ) - 慎さん» 慎さんん;;また来ていただいて嬉しいです;;同じ状況だ…萎えますよね;;慎さんの作品近々見に行きますね!^^いつも嬉しいお言葉ありがとうございます❤️🔥 (2022年7月15日 20時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
慎(プロフ) - ランキング入りおめでとう御座います👏私も最近溜めていたはずの話が知らない間に消えてて萎えました…😢お忙しいとは思いますが無理のない範囲での更新、頑張ってください。今作も大好きです😊🥀 (2022年7月15日 19時) (レス) @page7 id: 101fab3c19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Nattu | 作成日時:2022年7月4日 22時