ビギンズオブナイトメア【ARS&Fischer's】 (ページ6)

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｢雅紀……?｣

雅紀｢大丈夫?!今助けるから!｣

雅紀は近くにあった消化器を手にし
化物に向けて噴射する

化物は視界を奪われたからなのか
暴れ始める

その間に雅紀は
俺の所に駆け寄って来た

雅紀｢翔ちゃん、怪我はない?｣

｢うん、無い｣

雅紀｢立てそう?｣

｢ちょっと腰が引けて……｣

雅紀｢分かった
じゃあ俺の肩に腕まわして｣

｢ごめん……｣

雅紀｢良いって｣

俺は雅紀に言われた通り
彼の肩に片腕を回した

俺達は急いでそのスタジオを離れ

テレビ局の地下駐車場まで出てきた

2人して息を切らす

｢ハア、ハア
ここまで来れば大丈夫だろ｣

雅紀｢うん、それより翔ちゃん
1ついいかな?｣

｢ハア、何?｣

雅紀｢俺ねさっき
他のzeroのスタッフが
逃げてくの見たけど
そこに翔ちゃんが居なくて慌てたんだ

もしかしたら翔ちゃん
殺されてるかもって……

でも本当に無事で良かった｣

｢だから心配して来てくれたんだな｣

雅紀｢当たり前でしょ?
心配してなかったら翔ちゃん見捨てて
先に逃げてるよ｣

｢だよな……ありがとう｣

雅紀｢良いって、それより
なんであんな事になったの?｣

｢分からない……突然スタッフの1人が
呻き声あげたと思ったら

いつの間にか化物になってた｣

雅紀｢そっか……で、翔ちゃん
車の鍵はある?
それでここから脱出しよ?｣

｢鍵?あ……しまった、楽屋の中だ｣

雅紀｢どうする?俺が行こうか?｣

雅紀はそう言うと
またテレビ局に戻ろうとした

｢雅紀!……俺が行く｣

雅紀｢え?何言ってんのダメだよ!
それじゃ翔ちゃんが!｣

｢お前が行って殺されるのは嫌なんだ
だから、俺が鍵を取りに行くよ｣

雅紀｢翔ちゃん!｣

またテレビ局の中へ向かうすると
雅紀が俺の二の腕を掴んだ

心配してくれてるんだな……

｢大丈夫だって
それとも、俺の事信じられない?｣

雅紀に質問すると
彼は大きく横に首を振った

雅紀｢……ううん、信じるよ｣

｢じゃあ、行ってもいい?｣

雅紀｢……うん｣

諦めたのか雅紀は俺から手を離す

俺は雅紀から離れ
テレビ局の入口に入ろうとすると
雅紀が俺を呼ぶ

雅紀｢翔ちゃん!……死なないよね?｣

｢……ああ｣

俺は雅紀に笑顔で返事した後
まだあの化物が居るかもしれない
テレビ局の中へと入っていった