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体育祭をきっかけに知り合った俺たちは


一緒に帰ったり、勉強したりして

少しずつ距離を縮めた



季節も夏から秋へと移り、徐々にさむくなってきた

10月の初め

テスト勉強をしに俺の家にきているときだった


「藤ヶ谷って、えっ ち なの見たりしねえの?」

「は、はあ!?」

「いやあ...そーゆーのとか見ねえのかなーって」

「特に見ないけど...」

「ふーん」

「話振ってきてそれだけかよ!」


もう知らね、とテーブルに向き合いペンを持つと


そのペンを奪われ北山の唇が触れた



「っ...なにすんだよ、」


フリーズしたまま聞けば、


「俺、おまえのこと好きみたい」




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「で、卒業式に振られた」

「ガヤはまだ好きなの?」

「...うん」

「そっか、辛いね」



ふわりと優しく髪を撫でられ

また涙が込み上げる






「...ガヤ、ずるいこと言ってもいい?」

「な、に...?」

「俺、本気でガヤのこと想ってるから。
辛くなったらいつでも頼ってね」

「ありがと...」










次の日、いつも通り仕事をこなし


特に忙しくないため 定時で帰ろう、と

机の上を片付けていると




ピロン




北山今から飯でもどう?





「急だな...」





ふじがやいいよ





少し複雑な気持ちなまま北山と

ご飯に行くことになった





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「お待たせ」

「俺も今来たばっか」

「俺、カシオレで」

「ほんと女子みたいだな」



北山の行きつけだという居酒屋に来た



周りはサラリーマンやらOL、団体客で
ガヤガヤしている



「仕事、落ち着いたの?」

「あー...うん、まあな」

「大変そうだね」

「いやあ...うん」

「なんだよ、忙しいの嘘だったわけ?」



冗談のつもりで、くすりと笑いながら言えば



「半分嘘」




「は...?笑 半分嘘ってなんだよ、」

「まあ...訳あり」

「...あー、もしかして恋人?」



図星、みたいな顔をする北山が可笑しくて



「っ...ぷふ!ははは っ!」

「な、笑うとこじゃねえ!」

「恋人、でしょ?」

「...おう」

「あんまり恋人困らせるなよ?」

「...藤ヶ谷は、恋人いねえの?」

「はは、いるわけないじゃん」

「そっか...」



北山は前に進んでいるというのに
俺未だに踏み出せずにいる


なんか、俺だけあほらし




「おい、泣くなよ」

「は...?」



あれ、なんで泣いてんだよ俺

恥ずかし、


俺ってこんな泣き虫だったっけ



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作者名:ぴょんすけ | 作成日時:2023年7月29日 1時

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