検索窓
今日:15 hit、昨日:9 hit、合計:9,274 hit

2 ページ3

.
.



「んあー...今日すげえ酔ってる」

「うん、珍しいねガヤ」



飲むのは全然久しぶりでもないし

特に強い酒を煽ってる訳でもない

けれど、酔いが回るのが早い


「あー...ねみぃ」


テーブルに突っ伏しゆっくりと瞳を閉じれば

すぐにでも夢の中に飛んでいけそうで

あー、寝るかも なんて思っていた時だった、


カラン 、と店の扉が開き、


「いらっしゃ.....みっちゃん!」


みっちゃん...


「久しぶり横尾さん」


鼻にかかった独特の甘い声


あー1番聞きたくない会いたくない奴だ、





夢現の中で考えていた


北山だ、と頭の中で認識すれば
顔をあげることができなかった


「あれ...?藤ヶ谷...?」


「っ...」


最悪だ


ゆっくりと顔をあげれば


この世で一番で会いたくない人物が

俺を見詰めていた


「...久しぶり」


そう柔らかく微笑む君はどこか大人になっていて、でもあの時の幼さも残っていて

どくりと心臓が脈を打った



「...なにしにきたんだよ」

「横尾さんの店、1回来てみたかったんだよ」


.. そう言われればなにも言い返すことはできない


「タマ、あっちで飲も」

「え、いいの?知り合いじゃないの?一緒に飲まないの?」

「俺はタマと飲みにきたんだよ」

そう言って席を立ち少しの奥の個室に行こうとすると、

ぐいっと手首を掴まれた


「...なに、」

「飲もうぜ、久しぶりなんだし」



そう、真っ直ぐな瞳で言われれば


「.....わかった」

許してしまう自分がいて




「ガヤの高校時代の話聞きたーい」



別に大して話すようなことなんてない


「藤ヶ.谷はなー、」


なんて少し楽しそうに話す北山が嫌で、

聞きたくなくて

覚めていたけど酔っている振りをして

再びテーブルに突っ伏した





──



「...や、...じ が、ふじがや!」

「んん...?」

「玉ちゃん帰っちゃったぞー」

「.....え!」


いつの間にか寝ていたらしい俺は勢いよく起き上がり
辺りを見回すと、俺と北山しかいなかった


「明日も仕事なんじゃねえの?」

「んー...帰る...」

「タクシー捕まえてやっから、待ってろ」


席を立ち店の外に出ようとした北山が
扉の前で止まった


そして振り返って、

「その前に、連絡先交換しようぜ」

「...は、なんでだよ」

「お前、卒業してから番号変えたろ?」

「...別に」


北山の言う通り、卒業...別れてから、

電話番号も変えたし、ありとあらゆる連絡手段は全て切った


そうでもしないと辛かったから

3→←再会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
設定タグ:北藤 , 藤北
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴょんすけ | 作成日時:2023年7月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。