検索窓
今日:12 hit、昨日:9 hit、合計:9,271 hit

2 ページ19

.
.
.


「それで今に至るって感じ」

「..なんだよそれ、」

「たまちゃんなりの優しさなんだと思う」


上の空だった、なんてタマに気づかれてたのか


「俺、ほんと..ッさいてーな人間...」


目頭が熱くなるのを感じる


「..さいてーだな、俺」

「違う、藤ヶ谷」

「恋人を傷つけたんだぞ、俺」

「藤ヶ谷は悪くない」


泣くな、そう言われ頬に北山の手が触れる


「ッ...ぅ..きた、ま」

「自分勝手な俺が悪いんだ」

「ちが..ッ」

「もうなにも言わなくていい」


優しく頭を撫でられると

なにかが外れたように涙が溢れ出た


.
.
.


「..落ち着いたか?」

「ん..ありがとう」


カシオレを飲みながら、

渉がくれた保冷剤で目元も冷やす


「...俺は藤ヶ谷が好きだ、幸せにする」
「付き合って、なんて言える立場じゃないけど、」


「付き合ってほしい」


「..少し時間がほしい」

「もちろん、すぐに答えなくていい」
「ゆっくり、藤ヶ谷なりに考えてくれれば」



北山ってこんなにあったかい人だったっけ


「..ありがとう、北山」



.
.
.




あれから、月日は経ち

タマと別れて北山に告白されてから1年が経った


「藤ヶ谷課長、これ資料です」

「ありがとう、タマ」


あれから俺は課長へと昇進した

そして俺の代わりにタマがチーフとなった


「なんか、藤ヶ谷課長って言うのまだ慣れない」

「ふ、じゃあガヤのままでいいよ」

「こないだ次長の前でガヤって呼んだら、怒られたからー」

「はは、あの人堅いもんな笑」


あの日以来タマとは同僚に戻った


初めは気まずかったが、タマが普通に接してくれたおかげで前と同じように仕事ができている


「明日の会議の資料、一緒に準備しようぜ」

「仕方ないなー、手伝ってあ・げ・る」

「ふは、うざいな笑」

「しつれーだなー」



「..北山くんとはまだ付き合ってないの?」

「っ..あー、うん、まだ」

「もー、なんで早く付き合わないの!?」

「そんなすぐ付き合うわけないだろ?」

「もう1年経つんですけど!?」

「う、その通りです...」


あれから、北山とは毎日連絡を取っている

もちろん、飲みに行ったりもしてる


でも

「..まだちゃんと返事できてないんだよ」

「なんでよ」

「なんていうか、怖くて」

「あーもうビビりだなあー」
「今日北山くんと会わないの?」

「..飯いく予定」

「じゃあその時だね!」

「ええ..無理だよ」


.
.
.

好き→←別れ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
設定タグ:北藤 , 藤北
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴょんすけ | 作成日時:2023年7月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。