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「....は?」



全然頭が追いつかない


「なに、を...今更」

「わかってる、今更だってわかってる」

「勝手すぎんだろ」

「勝手なのもわかってる」

「..わかってなぃ...」

「わかって、」
「わかってないよ!!」


思わず大きな声を出してしまった


「なんなんだよ、まじで」


勝手に振って、勝手にいなくなって、

勝手に、勝手に、


「ばかなんじゃねぇの..ッ」

「..ごめん」
「あの時、何も言わずに振ってごめん」

「全部、嘘だったんだ
好きじゃなくなったってのも、嘘だった」



何言ってんだよ


嘘?どういうこと?


「意味..わかんねぇッ..」

「藤ヶ谷の未来を、俺のせいで奪いたくなかった
普通の幸せを掴んで欲しかった
俺から告白したくせに、って思うよな
..すげぇ悩んだんだ、」

「悩んだ末に振った、ってこと?」

「ん、そういうこと
また会えるとも正直思ってなかった
会うつもりもなかったし
でも、横尾さんの店で会った日から
藤ヶ谷が忘れられなくて」

「大倉くんと付き合ってたのに?」

「あいつとは大学の同期で、サークルが同じだったんだ
俺は付き合うとかそんなつもりなかったんだ
ずっと、ずっと藤ヶ谷が頭にいたから
だけど、前に進まなきゃって思って
そんなとき大倉から告白されて、忘れようって
思って付き合ったんだ」
「きっと、藤ヶ谷はもう俺の事なんて忘れてるって」



なにそれ

なんか


まるで



俺とタマみたいだ


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「藤ヶ谷とタマが付き合ってるのは、この間聞いた
でも自分の気持ちに嘘つきたくなくて
大倉には悪いけど、さよならしてきた」

「ほんと、どこまでも自分勝手だね」

「わかってる、
だから、また好きになってなんて無理は言わない
ただ、また藤ヶ谷を好きになってもいいか...?」



俺だって

北山がまだ好き


でも、

これじゃ

タマを傷つけてしまう



「..俺は、タマを傷つけたくない」

「わかってる、」

「..でも好きになるな、なんて言わない」

「...てことは、」

「勝手に、すれば..いいよ」

「ありがとう、藤ヶ谷」


ふわりと頬を緩める北山


俺は


最低な人間かもしれない



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作者名:ぴょんすけ | 作成日時:2023年7月29日 1時

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