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彼氏 ページ12

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「ガヤ!!!」

「おー、おつかれさまっ..!」


がちゃりと扉が開けば

勢いよく抱きつかれる


「ぐるじーってばー」

「会いたかったー、ガヤー」


茶色いふわふわの髪の毛が鼻をくすぐる


「..俺も、会いたかった」


そう呟くと、タマが顔をあげる


「うれしい、」

と頬を緩ますタマ


かわいいのはどっちだよ



「なんか食いに行くか?」

「んー、ガヤん家は?」

「え、俺ん家なんもないけど..」

「いーじゃん、一緒に作ろ!」


そう言って、テキトーに食材を買って

俺ん家でご飯をたべることにした


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それからは北山から特に連絡もなく

何気ない毎日を過ごしている



繁忙期ということもあり、

残業しては、
タマとご飯を食べて
休日は寝て過ごす

たまにショッピングに出掛けて

美味しいものを食べる





誰かと毎日を一緒に過ごすって

こんな楽しかったっけ


「最近、ガヤが楽しそうで俺うれしい」

「タマのおかげだよ」

「ねぇ、今日ってノー残業デーだよね?」

「あーそういえばそうだな」

「久しぶりに早く終わらせて、飲み行かない?」

「さんせー!ストレス発散だな!」



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時刻18時30分

タマと約束をしたものの


外勤で思いの外、遅くなってしまった


「タマ、ごめん
今から事務所戻るから、先飯屋入ってて!」

『わかった!気をつけてね〜』




小走りで事務所へ戻る途中


「あれ、藤ヶ谷?」


聞き馴染みのある声がした



パッと視線を前に送ると


「北山...」

「久しぶり」

「...おう、」

「最近連絡できなくてごめんな」

「いや、俺も忙しかったし」

「そっか、今帰り?」

「ん、まあそんなこと」

「...もし予定ないなら、」
「宏光〜迎えきたで」


この声、前に裏路地で聞いた声


「...大倉、迎えなんて頼んでない」

「なんや、今日一緒に外で飯でもどうかなおもて迎えきた!」
「あれ、もしかして宏光の友達?」

「はじめまして、藤ヶ谷です」

「藤ヶ谷くんか!どーも、宏光の彼氏の大倉です〜」

「余計なこと言うな!」

「なんや事実なんやから、ええやろ」

「藤ヶ谷わるいな、また連絡する。じゃ!」


そう言うと颯爽と帰っていった



あれが、

北山の


恋人



裏路地で見た人だ


「っ..」


胸の奥がぎゅっと苦しくなった



宏光

そう呼ばれていた

俺ですら呼んだことないのに


..いや、俺にはタマがいるんだ

もう関係ない

早く、早くタマに会いたい



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2→←前進



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作者名:ぴょんすけ | 作成日時:2023年7月29日 1時

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