薄桜鬼 涙は伸ばした手をすり抜けて〜貴方に触れたくて〜

第40話:まもる ページ41

小さかった薫を風間じぃは連れて帰ってきた。
……私は涙が止まらなかった。
枯れるんじゃないかって思うくらい流した…

薫)…とうさんは…？かあさんはどこ？

A)ごめんね……ごめんね薫…私のせいなの、私のせいで父さんと母さんは…うぁぁぁあ！！！

風祖)…酷いものだ……どうやったらこんな事ができようか…A…君のせいじゃない…悪いのは人間なんだよ…

風間)……お前は風間家に引き取る…そこの母も一緒にな…

だめだ。
この場所から離れては…

A)嫌だ！！私はこの場所に残る！！

風祖)A…

A)此処は無力な私が生まれた場所だ！！私の大事な父さんと母さんの居場所だ！私は此処を離れない！！

泣きながらそう告げた…
…ダメなんだ…
私はこの場所で生きたい…

風祖)…分かったよ…君が生きていくために、私たちは全力で君の手伝いをするよ。

風間)そこの小僧は…？

A)薫、薫はついて行きな…

薫)いや！かおるもおねえちゃんといる！

A)でも…この場所にはもう、何も無いんだよ…？

薫)おねえちゃんがいる！！かおるはおねえちゃんをまもる！

A)…薫……

薫は手をギュッと握って放さなかった。

風祖)薫くんは、君と居たいようだね。私たちも手伝うよ。

A)っ…ありがとうっ…ございますっ……


この日、私たちは二人になってしまった…
風間じぃたちは私たちの手助けをたくさんしてくれた…

薫はこの日の記憶を全て失ってしまったけれど、私にとっては一生忘れられないものになってしまった…

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