第37話:教えてあげる ページ38
薫)姉さん…?
A)あぁ、ごめんね薫…ぼおっとしてた。
風祖)家族思いの君が一番辛い思いをしたね…
A)……それは私が無力だったからだよ…
風祖)いいや、私も何もできなかった。息子も、孫も、何一つできなかったんだからね…
薫)…姉さん、何があったの…?
A)それは…っ…
あの日、薫はいなかった。
いいや、私たちがわざとあの場所にいないようにしたんだ。
薫は十分辛い思いをしたのだから、これ以上何も辛いことがないように…
薫)…ごめん…こんなこと聞いて…
A)…いいよ、薫…教えてあげる…薫ももう大きくなったからね…いつまでも子供扱いはできない…全部話してあげる…
風祖)………
A)覚えてる?私たちが薫に遠くに行かせた…おつかいと偽って、逃がした時のこと。
薫)…姉さん達は何が起こるのか知ってたんだね…
A)そうよ。もう、薫には辛い思いをさせたくなかったから…
あれは8年前の出来事…
母)もうすぐね…
父)……あぁ。何事も起きなければいいがな…
A)…父さん、母さん…この村、どうなっちゃうのかな…?
父)…大丈夫。きっと無事に全てが終わる。
母)私たちが何とかするから。
そう言って頭を撫でてくれた父さんと母さんの手はとても暖かかったのを今でも忘れることができないでいる…
・
血にまみれた村の中で、父さんの血まみれの手は私の頭を力強く、それでも優しく…
『生きてくれ…今までありがとう』
そう言った父さんの優しい笑顔が、言葉が消えた…
もう、一生会うことはできないんだとこの目で思い知らされた…
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - ご無沙汰です。悲しいですね。続き気になります。 (2015年4月9日 3時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 悲しい過去ですね。幸せになって欲しいです。 (2015年1月26日 2時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 良かったです。 (2015年1月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ビビ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» むちゃくちゃ元気ですよ笑 そちらも元気そうで良かったです( ´ ω ` ) (2015年1月25日 22時) (レス) id: 44f0ddf406 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 元気そうで良かったです。 (2015年1月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビビ | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2014年5月22日 3時